77話 ロリリエールのダンジョン③
ライムはユージと同じ問題に直面していた。謎は全員同じだったようである。ライムが悩んでいたのは謎を解くことではない。ライムは扉が開かないために悩んでいた。ライムは謎を解けば扉が開くという仕組みだということを分かっていなかった。ロリリエールにとって、これは予想外だっただろう。
ライムはテライムの状態に戻ってみる。勿論、テライムの姿でライムがいる部屋に収まるはずもない。ライムがどんどんと大きくなっていき、やがて部屋を埋めつくし、扉を圧迫していった。やがてライムからの圧力に耐久出来なくなった扉は、ユージの時と同じように、破壊されてしまった。
ライムがその先を行くと、さっきよりも広い部屋に出た。そこにはソファーがあり、ライムは一先ずここで休むことにした。そうしてユージがやって来た訳だ。
シノやツキは、ユージやライムのように扉を破壊するなど野蛮な行為で部屋から出たわけではない。ちゃんと解いて出てきたのだ。
謎はかなり簡単なものだった。きっと、ルール説明みたいなものだろう。足元を見てみると、9つのタイル張りになっていたのだ。そして扉の反対側にあるタイルの上に線が引っ張ってある。つまり、1~9まで順々にタイルを踏んでいけば扉が開くのだ。そして9番目のタイルは扉の真ん前である。
シノもツキも、9を踏んだ後、足元のタイルが全て光輝いている部屋を後にした。他の皆に会うために。
そして、残るはナナである。ナナは、シノやツキのように解くのが得意ではないし、ユージやライムのように扉を破壊できる訳でもない。
ナナは横になって考えていた。足が疲れたのである。ナナは地面の光るタイルを見る。淡く光るそのタイルの光は、ユージのスキル≪自己治癒≫が発動している間の光にとてもよく似ていた。ナナはユージに会うために必死に考える。そして、諦めた。勿論、皆に会いたい。だけれども、この謎が解けない。ユージ達はナナの事を待ってくれるのだろうか。ユージ達に怒られないか。ナナはまるで、欲しいものを買ってくれない時の小さい子供のように手足を広げて地面に寝転がる。そして、その手足がタイルの上に乗っかる。そうすると、タイル全てが光った。
ナナは今までに見たことのない反応に僅かに期待をもって扉を開けようとする。扉は解く前にはびくともしなかったのだが、簡単に開けることができた。ナナは涙を堪えながら部屋を出る。そこにはナナが出てくるのを待ち望んでいた、ユージ達の姿があった。ナナは涙を堪えきれずに、頬を濡らすと、ユージの所に駆け寄っていった。




