69話 もう一つの種族
森を抜けたユージ達がたどり着いたのは、寂れてしまった町だった。
「ここが二人の故郷なの?」
「うそっ!なんで?こんなことにっ……!」
「前、賑やか……だった。」
ななしの姉妹は座り込んでしまった。家は壊れ、虫が住み着いていた。人が最近まで住んでいた痕跡は見つからなかった。ななしの姉妹がここを出たのは、ななしの姉妹の年を鑑みればそう昔のことではないだろう。仮にななしの姉妹が2年も前にこの町を出たとしても、政治が上手くいかなくなったり、大きな暴動が起こったりしたとしても、町の人全員がいなくなるとは考えづらい。となると、何処からか攻撃を受けたのだろう。白い人は人間にも魔族にも嫌われてるから、どちらが攻撃したのか分からない。そうユージが考えている時、上空から人が降りてきた。
「白い人、みーっけ!」
降りてきた人はそういうと、ユージ達の方へ飛んできた。彼女は速かった。ユージよりかは遅いが、それでもユージの他のメンバーに比べて速い。ユージは彼女に攻撃の意思があると確認するとななしの姉妹に触れさせまいと攻撃を反らした。彼女は攻撃がずれて当たらなかったが、ユージが攻撃を弾くことしか出来なかったと考えたのだろうか。再び攻撃してきた。ユージは手刀で首の後ろを叩いて気絶させようとしたが、そんなことをやったことがないユージは、首には当てたが気絶させるには至らなかった。ただ、首からグキッという音がしたから、相当痛かっただろう。ユージはその音を聴くと無意識に謝った。地球にいた頃の影響だろう。
どうやら彼女がななしの姉妹の故郷を破壊した一員だろう。上に何人か他にも飛んでいるからソロではない。
「もしかして…天使なの?」
こういう知らないものに出会ったときにはツキが役立つ。そしてツキは臨戦態勢をとった。ただ、さっきの攻撃で反応できていない事を踏まえると、ツキが勝つのは難しいだろう。ユージはまた倒れてしまわないように、殺さないと心に決めてツキの前に立った。ツキは代わりに戦ってくれるのだと分かると、ななしの姉妹を側に呼んだ。万が一の時の為に、ななしの姉妹を守れるようにしてくれたのだろう。




