60話 捜索中の出来事②
ユージが目を覚ましたことにななしの姉妹が気付くと、二人は泣き始めた。ユージは二人に謝る。
「いきなり倒れて心配かけて……その……ごめん!」
「いいよ!それより、大丈夫?」
「起きれる……なら、良かった。」
そして、ユージは倒れた所と別の場所にいることに気が付いた。
「ここまで運んできたくれたのか?」
「ちょっと重かったけど、気にしなくていいよ!」
「ニンメは、倒した。」
二人は涙声で答えてくれる。ユージが倒れたわけを話そうとするが、ななしの姉妹だけに伝えるべきではない。だから、皆で集まってから話そうと考えた。そして二人の為にも早くその時間を作ってあげたい。ユージはツキ捜索を再開しようと思っていたが、また倒れてしまうと二人に迷惑だと考えを改め、一回家に帰ることにした。ななしの姉妹の顔は涙でぐしゃぐしゃだったが、ユージが目を覚ましたことに心から安堵しているようだ。
「帰るか。」
そういってユージが倒れてしまった所に出た。すぐ近くの脇道とはいえ、ユージを運ぶのは重いに決まっている。ユージは二人に感謝する。その時、遠くから二人の人影が見える。ななしの姉妹はユージの側で警戒している。魔族だと面倒なのだ。ななしの姉妹はユージに休んでおくように伝える。恐らくユージが倒れている間、ずっと看病してくれていたななしの姉妹の方が疲れているだろうに。
人影が近づいてくる。それは、ピィとツキだった。なんだかんだあって、ツキを取り返す事に成功したピィは、帰り道としてここを通って帰るつもりだった。つまり、ここであったのは偶然だ。ピィは再会を喜んでくれていたが、同時にツキだけでなく、ユージとななしの姉妹が疲れていることも分かった。ピィは今までユージ達に見せることのなかったスキルを使う。
「スキル≪睡眠≫!」
そしてユージ達を寝かせると、ピィはリアも使うことのできるスキル≪念力≫を使って、ユージ達を浮かせて家に連れて帰る。
家ではリアとライムが待ってくれていたが、ユージ達が寝ているのを見ると慌てた。死んでしまったのかと少し考えてしまったのだ。ただ寝ているだけだとわかると落ち着いた。普段寝ないリアとあまり寝ることのないライムだが、リアは疲れたのか、いつもよりも身体が薄い。ライムは寝てしまった。家ではいつ帰ってきても良いように、食べ物をたくさん用意していたのだ。リアとライムはそれらの準備と無事に帰ってくることをずっと祈っていたのだ。




