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59話 捜索中の出来事①

  もうそろそろでユージ達がパイアに着くという頃、ユージはいきなり倒れた。今がチャンスとばかりにユージを攻撃しようとしたニンメだったがナナに水分をとられてミイラになった。そもそもニンメがミイラっぽい見た目の魔族だったのであまり変わらないように感じるが、ななしの姉妹はそんなことはどうでも良かった。すぐさまユージに駆け寄る。勿論、ユージはスキル≪自己治癒≫を使い忘れていたわけではない。ユージが倒れたのは精神的な疲労だった。



 ユージは異世界転生する前は、どこにでもいる日本人だった。だからこそ人を殺す等という経験はなかった。ユージがこちらの世界で自己中に生きるのは良かった。片付けをしなかったり、仕事をやめたり。向こうにいた頃、ユージはそんなことはしなかったが、自己中に生きることはユージがしたかったことだった。だけれども人殺しは望んでいない。ユージが今まで人を殺しても平然と振る舞っていたのは、ユージの仲間達がいたからである。ななしの姉妹とリア、ツキとライム。彼女達がいたからこそ、ユージは何事もなかったような立ち振舞いができた。ただ、ユージは恐かったのだ。生きているものを殺すこと。その人のその後の人生を奪うこと。ツキが行方不明になり、そこから魔族を殺したことでユージの精神が持たなくなった。ユージは自己中ではないのだ。ななしの姉妹達に振り回されて、自分の邪魔をしてきた人を殺した事を悔やんでいる。自己中に生きるならば、振り回されることは嫌がるし、後悔なんてしない。ユージが彼女らと過ごし始めてからのスキル≪自己治癒≫を使っているユージは、俺TUEEEEをしたかったわけではない。精神面で強くなりたかったのだ。人を殺さなくても、軽く力を見せるだけで済むように。殺しても後悔しないように。ただ、ユージは殺人を後悔しない事は絶対にダメだと感じた。それはもう人の所業ではない。生物が生物を殺すのは生きるためだ。生きるためでない殺人はしない。だからユージはスキル≪自己治癒≫を使わなくなったというのもあった。勿論その後にシノの毒を受けて使うようになった。ただ自分が強くなっていくにつれて、自分の罪悪感が薄れていくのを感じた。



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  ユージは確かに自己中ではない。でも、人を殺すことは自己中だ。矛盾しているようで正しい。



  ユージは段々と殺す理由が酷くなっていることに気がついていた。ワリーヤツラ団はななしの姉妹に手を出したから殺した。コドリやクヤクは邪魔をしたから殺した。魔王含む魔族はこちらが突然訪れて殺した。大会では勝ちたいから殺した。スライムは好奇心で殺した。ユージは殺しに慣れるていくユージが怖かった。そうして解決することなく溜まっていったストレスが、ユージの心を押し潰してしまったのだ。



  ユージが目を覚ますまで、洞窟の奥で休むことにした。

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