58話 ツキが行方不明になりました④
ユージとななしの姉妹はニンメに吸血鬼達の居場所を教えるように言った。トリメとタリメはもう話すことが出来ない。ユージが殺した。ヨキと比べて明らかに弱かった。こんな奴ならそもそもユージを倒しても、他の魔族にやられてしまって、魔王にはなれないだろう。ニンメは恐怖で下半身が濡れている。ニンメは魔族の男だ。だから全く需要がない。むしろ臭くて嫌だ。ナナがそうなったときは、大歓迎な人も多いだろうが。勿論、ユージもナナが漏らした時はひそかに喜んでいた。ニンメは足が震えている。トリメとタリメの骸をそのままにして、ユージ達は先へ進む。
一方その頃、ピィは吸血鬼の多くすんでいる場所、パイアと呼ばれているらしい所へついた。それから色々と聞いて回ってみるが、なかなかいい情報がない。殆どの人が「ずっと待っているんだが来ない。」と言っている。つまりツキはここに来る前に何かのトラブルに巻き込まれたのだ。そしてまだ来ていないということはまだ解決していない可能性が高い。ピィの推論は当たってしまっていた。それはつまり、ユージを困らせるものであるということだ。ピィはパイアを後にする。訪れる所があるのだ。
ツキは鎖で壁に繋がれていた。ツキは自分のせいで、たくさんの人に迷惑をかけてしまっていることを悔やむ。ユージ達、パイアの人々。ただ解決する術はない。ツキは泣いていた。これからもユージ達に迷惑をかけてしまう。だからこそユージとは離れるべきだと。それはユージ達を気に入っているツキにとって苦しいものだ。ただツキはユージ達が苦しむのを見るのはもっとつらい。ユージ達と暮らさずに、ユージ達と会う前の生活を続けていればよかった、と考え始めたとき、ツキの部屋の扉が空いた。ここは地下室なのだ。
「ユージッ!」
ユージ達の事を考えていた為にユージが助けに来てくれたと思ってしまった。ただ現実はそうはいかない。入ってきたのはツキが最も会いたくない者だった。
「あなたが彼と一緒にいられると困るのよ。分かってちょうだい。」
その人は真っ黒な服を着ていて顔を隠している。彼もしくは彼女はブラックと呼ばれている。男のような姿をしているが声や仕草は女のようだ。つまり、全てが謎である。ツキが知っているのは、ブラックが相当な強さであることと、ブラックがろくでもない計画に荷担していることだけだ。ブラックが扉を閉めたとたんに、その扉が勢い良く開いた。ブラックは扉とともに吹っ飛ばされる。そして扉があったところにはピィが立っていた。




