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56話 ツキが行方不明になりました②

  ツキは夜になっても帰ってくる事はなかった。さすがに何かあったとしか思えないユージは家をリアとライムに任せてななしの姉妹と一緒に家を出るのだが、生憎吸血鬼達の居場所を知らない。地下にいる事は間違い無いのでイキョーのダンジョンへ行って復活しているイキョーに会いにいく。



 イキョーとはすぐに会う事が出来たがイキョーはそもそも、このダンジョンの地下にしかいないのだからツキがここに来ない限り知る事はないのだ。そしてもし魔王城へ行ったとしても、イキョーが住んでいるところよりも一つ上の階層から行くため絶対にここを通らない。そしてイキョーは外へ出ないので吸血鬼達がどこに住んでいるか分からない。全く参考にならなかったイキョーを倒して外へ出られるようにすると、今度はまたダンジョンに入り直して魔王城へ向かう。魔王城はまだ魔王が決まっていないため、誰が魔王にふさわしいかとギスギスしていた。そんなところに魔族達が嫌っている人間と白い人がやってきたのだ。



「あいつらを殺した奴が有利になるってのはどうだ。」


「あの人間武器持ってないし弱そうだぞ。」



 そんな会話が聞こえてくる。魔族達はやはり魔族でない者を見下しているようだ。人間も人間以外を見下しているが。ユージは魔族達に、吸血鬼達の居場所を教えてもらいたかっただけなのだ。だからユージは魔族達に囲まれてもラッキー位としか思っていなかったのだが、魔族達は反抗するだろうし、何よりダンジョンではないので魔族達が生き返らない分、殺してはならないのだ。



「おい、あいつヨキを倒した奴じゃねえか?」


「確かに似ているな。」



  ユージ達が何者か気がついた魔族が現れ始めた。ユージは知っているのならば上手く利用する事ができると考えた。そしてユージは魔族達にある提案をする。



「そうだ。ヨキを殺したのは僕達だ。イキョーのダンジョンから入ってきた。吸血鬼達が多く住んでいる場所を教えて欲しい。」


「何を企んでいるか知らんが俺と戦え!」


「吸血鬼達の居場所まで案内してくれた奴と勝負をしよう。」


「確かにコイツがヨキを殺した。間違いねぇ。コイツに勝てば魔王になりやすいな、俺が案内するぜ。」


「間違い無いのか。俺も行ってやる。」



 人数が多くなると面倒なので3人に連れて行ってもらうことにした。3人の名はトリメ、タリメ、ニンメと言うらしい。その3人についていきながら、ユージはやっぱりわざわざ3人連れてきて正解だったと思うのだった。何故なら、着いた場所はある程度の広さがある空間だった。3人は他の魔族からユージを引き離すためにユージ達を信じたフリをしてここへ連れてきたのだ。

 わざわざイキョーのダンジョンから来たと言う事はあまり魔族の土地を知らないと考えた3人は、魔王城では場所が分かっているようなのでイキョーのダンジョンとは反対側、つまりユージ達が知らない所へ連れてきたのだ。そうすれば逃げ場のないユージ達は戦わなければならない。わざわざ吸血鬼達の居場所まで連れて行かなくても良かったのだ。3人はユージ達を上手く連れたと思って満足そうにしていた。

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