51話 スライムの洞窟①
ユージ達はその日、スライムの洞窟と呼ばれる所へ向かっていた。スライムと言うと一般的には最弱の魔物か物理ダメージを無効化する特殊な魔物として出てくる。こちらの世界のスライムも同じように攻撃力はないし、物理ダメージだけでなく、スキルの攻撃も無効化する。しかし、中に核があってそこを攻撃すると倒せる。スライムの攻撃は痛くも痒くも無いが鼻や口に入って窒息死してしまう事はたまにあるらしい。洞窟はイーストにあるため、1時間ほど歩くと到着する。洞窟を訪れた目的はユージがこちらの世界のスライムを見たいと言う理由だった。
「ここだね!」
中は比較的明るかった。理由はスライムだ。こちらの世界のスライムは発光している。身体の色がスライムによって様々なのでここの洞窟はカラフルだ。スライムはユージの靴と同じ位の小さいサイズだったが時々大きいやつがいる。ツキに聞いてみるとデカイムと言うらしい。普通のサイズより大きいからデカイムか。洞窟はそこそこ広さがあり、中にはスライムしかいないため、駆け出しの冒険者がよく練習に訪れる。訓練するにはもってこいの場所だ。ユージ達は地下へと降りていく。その時シノがユージに呼びかける。
「この壁、変。」
シノに促されて触ってみると確かにぷよぷよしていた。シノが指し示した場所はユージの腰よりも低い所なのでユージが気がつく事はない。しかしシノは背が低いしスライムの光があるとは言え、曇りの日の外よりは暗いので、降るときにこけないように壁に手をつけて進んでいたのだ。ユージがスライムだと分かった壁を倒しても倒した先には何も無かった。ユージが穴の開いた所を触ってみるとやっぱりぷよぷよしている。ユージは蹲ってスライム達を倒して先へ進んでいく。ななしの姉妹やツキがその後ろをついてくるが、彼女達は少し屈むだけで入る事ができる。この先に進んだことのある者はいなさそうだ。ユージは期待を膨らませながらスライムを倒して先へ進む。




