50話 ユージの持ち物
今日は4人で寝る日だった。(新しく4人で寝る曜日を決めた。)ユージはついに元の世界の物がそのまま入ったバッグに手を出す。そろそろ物が無いと話す事がなくなってしまった。かと言って今全て見せてしまってもその後が面白く無い。ユージが転生してきた時所持していたものはそのままに異世界転生したのだ。そうでなければ裸でこの世界に放り出されていただろうし。ユージはバッグから物を取り出す。何故か殆ど何も入っていない。ユージの手にはスマホがあった。逆に言えばそれしか入っていなかった。
ユージは何故死んだのかは思い出せないし、自分が何をしようとしていたのかも分からない。いつもの生活やどのような社会だったかはありありと思い出せるのに、そこだけ頑張って思い出そうとしても出てこない。そこだけぽっかりと記憶が飛んでいるようだ。思い出したく無い死に方だったのか、それともあの神とやらが記憶を消去したのか。どちらなのかはユージに判断できる物では無いし、今の生活に満足しているユージにはどうでも良かったが、何故死んだと分かるのかが妙に引っ掛かった。そう言えば神らしき人はこの世界について殆ど話さなかった。そして神はいきなりアイテムを渡そうとし始めた。普通はユージからの質問を待つか、今ユージが置かれている状況を説明するだろう。いきなりアイテムはどれがいいですか、なんて言われてもよくわからないのに。あの空間から追い出すのも早かった。ユージに質問させる暇もなくだ。忙しいのかもしれないが、何か隠しているような気がしているようでならない。
兎も角、ななしの姉妹達がスマホがなんなのかユージに説明を求めている。自称神のことは後回しだ。ユージはスマホの使い方を教える。勿論圏外だったので殆どの機能が使えなかった。カメラ機能は少し興味を持っていたが、ユージのスキル《印刷》で似たような事ができるので、そこまで驚いてはいないようだった。




