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45話 本当の優勝

 家の前にはピィがいた。



「やっぱりあなたが優勝しましたね。ここで私とあなたで決勝戦をしましょう。ここに戦闘用ボックスと呼ばれるものがあります。」



 そういうとピィは黒い手のひらサイズの立方体の箱を出した。これに手を触れると何もない広大な空間に転移するらしい。



「ここで死んでしまうと出られませんが、あなた達は大丈夫ですからね。ここで私1人と貴方達全員で勝負をして、私は全員を戦闘不能にしたら勝ちです。本気で殺しにきてしまって構いません。私をスキル《不老不死》位持っていますから。今度は私も本気で行きますよ。」


「勝手に決めているがこちらに参加するメリットがない。辞退させてもらう。」


「私はあなたのことを全て知っているんですよ。ここであなたにこの前言ったことを全て大声で言ってもいいんですよ。そしてあなた方が勝ったら、私に出来ることならなんでも一つ言う事を聞きましょう。」



 こうして断る事が出来なくなったユージは、ピィと対峙することになった。



「では、皆さんこれに触れてください。」



  ユージがその黒い立方体に触れると、眼前にはただただ何もない真っ白な空間が現れた。ここで勝負するようだ。



「では早速行きますよ。スキル《身体強化》!」



  ピィがそう言うとピィの姿が見えなくなった。となるとななしの姉妹のスキルは効果がない。ツキはユージの血液を吸ったので強化されているが、ユージのステータスより低いためツキにも見えていないだろう。ただユージには一つ作戦があった。



「ナナはスキル《水風船》で水を作ってスキル《水操作》で僕たちの周りに壁を作って!シノはスキル《毒付与》でナナの作った水を毒にして!」



  それが出来るまでの間はこの中ではステータスの低い、ななしの姉妹の護衛が最優先だろう。効果は薄いかもしれないが何もしないよりはいいだろうと、ツキとユージでななしの姉妹の護衛をする。



 特に何もなく守る事が出来たが、何故だ。普通なら攻撃してきてもいいはずだ。本気で挑むと言っておいてこんなことをするか?などと考えていると辺りが赤く染まった。皮膚が焦げていく。どうやらピィはこの超広範囲高火力の攻撃を行うために力を溜めていたのだ。いくら広い空間といえど、ピィのこの攻撃からは逃げる事が出来なさそうだ。ナナの作った水は恐らく水蒸気爆発で跡形も無くなってしまっているだろう。そして真っ白な空間にはピィとスキル《根性》により体力1で耐えたユージが残った。ユージは悪足掻きだろうと分かっていながらもスキル《自己治癒》をかけ続ける。強力な攻撃スキルを持たないユージは自分よりも高いステータスの相手に勝つ事はほぼ不可能である。ユージはその後ピィに殴られて元の世界に戻った。



「スキル《根性》は使用不可状態になる攻撃でも発動したと言う事はスキル《自己治癒》の高レベル効果ですね。」



  ピィはそう呟くと彼女も元の世界に戻っていった。



「どうでしたか私のスキル《灼熱砲》は?」



「確かに強いがこっちの世界では使えないな。」



  何せ威力と範囲が桁違いだ。こちらの世界で使ったときの影響は計り知れない。



「いざと言うときには使うと思いますが、そんなタイミングないので大丈夫ですよ。」



 またいくらかしたら戦いにやってきます、と言ってピィは去っていった。こうしてユージ達にはピィを倒すという新たな目標が生まれた。

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