42話 イースト地区最強決定戦予選①
参加者は125人だそうで、9割以上が冒険者だという。試合はトーナメントで、上位4人が4ヶ月後に開催される四国地方最強決定戦の出場権を得ることができる。125人なので観戦者が誰が一番強いかを予想し一番票が多かった人が、1回戦と2回戦を免除される。選ばれたのはザック・バランというAランク冒険者らしい。冒険者には復活の指輪が渡される。何故普段の冒険者が復活の指輪を使っていないのかというと、復活の指輪は復活可能な範囲を決めなければならない。どういうことかというと、今手渡された復活の指輪は大会開場でしか効果を発揮しない。また対人戦でしか効果を発揮せず、一回限りしか使えない。なので復活の指輪は一部の貴族が、屋敷で暗殺されても良いように付けているくらいだ。
ユージは冒険者ではないので、復活の指輪は渡されない。勝負は戦闘不能になると負けである。復活の指輪と一緒に渡されている紙だけ渡された。なかには番号が入っている。1回戦の番号だ。ユージの紙には1と書かれていた。一番最初にやるようだ。
「1番ですね!相手は誰ですか?」
「お前が初戦の相手か。」
「私はピィと言います。」
「ユージだ。」
それから少し話をする。観戦者はピィがユージと話しているのが気にくわない者も多かったようだが、ピィは全く気にしなかった。そういうキャラを作っているだけだと思ってもおかしくはなかった。ピィはA-の冒険者として有名らしく、最初に試合が見られることに観戦者は喜んでいるものもいたが、ユージでは話にならないだろうと笑うものが多かった。何でもピィは走力が2000あるらしい。一番ステータスが高い人は2500だからいかに速いのかが分かる。でも2500というのはユージを除いてだ。そして魔族や白い人は含まれない。今のユージの走力は4000ある。倍だ。ピィはその速さで姿をとらえるのが難しくなるため強いと言われているが、その他のステータスはそこまで高くない。
ユージとピィは指定の位置にたつ。観戦者でユージを応援するものはいない。ピィを見ようと頑張っているものと、ユージが負けることがわかっていて興味のないものしかいない。
「それでは……始め!!」
審判の合図があると、ピィはユージにそのまま向かってきた。走力はユージの半分だ。ユージがピィの事を視認するのは、大人が子供が走っているのを見ることができるように楽だった。直接攻撃しに来たのでユージは足をあげる。それがピィの胸に当たると、ピィはそのまま真上に飛んでいった。普通、突進してくる相手を上に蹴っても真上に飛んでいくことはない。だからピィの復活の指輪が壊れて飛んでいくのを確認すると、ユージは飛んでピィをキャッチした。あとで話すかもしれない。観戦者はピィもユージも消えたようにしか見えないだろう。ユージはピィを場外に下ろすと、自分は元の場所に戻った。観戦者は突然同じ場所に現れたユージと場外で倒れているピィを見た。この大会で場外に足をつけると負けである。つまりこの勝負ユージの勝ちだ。待機部屋に戻るとピィはふらふらしながら部屋を訪れた。待機部屋は1人1つ与えられているため、「もしや俺のためにピィちゃんが……!」等と考える輩はいない。ピィは周囲を確認した。
「私を仲間にいれてください!」




