38話 ユージの強さを広めたい②
受付はギルドで行っていることを知ったユージは転生してすぐに訪れたギルドへ向かう。ユージがギルドへ入ると、ギルド内は騒がしくなった。
「あいつってもしかして……」
「そうそう!転生してやって来たのに、Bランク冒険者をすぐ捨てたって人だよ。」
「あいつが来て、魔王が消えたがあいつのせいか?」
「まさかぁ。それにしても、何の用だろう?」
「冒険者に戻りたくなったとか?」
そんな会話が聞こえてくるが、関わる必要がないのでユージはスルーした。
「冒険者の証はありますか?」
いつものおばさんではなかった。ユージのことを知らないようだ。
「無いなら冒険者ではないですね。どんなご用でしょうか。」
「大会があるそうだからエントリーしに来た。」
「大会と言いますと……」
「最強を決める大会と聞いたが?」
「イースト地区最強決定戦ですね。冒険者でない場合、復活の指輪は渡されないため、負けると死んでしまうことがあります。それでも参加しますか?」
「勿論、今日はそのために来たんだ。」
「エントリーを受諾しました。今日からちょうど二週間後からですね。死なないよう頑張って下さいね。」
そうやっている間も、ギルド内はユージの話で持ちきりだった。ただ、彼が何戦目で負けるかという賭けがあらゆるところで行われた。殆どの人が2回戦までには敗退すると予想していた。いくら彼が転生者とはいえ、ユージが転生して来た頃はステータスを開くことは出来たのだが、生憎ユージはステータスの閉じ方が分からなかったので、ギルドまでステータスを開いたままだった。ステータスは開いていれば誰でも見ることができてしまうため、何人かの人が、ステータスを開きながら歩いているユージの姿を見て、不振に思い、ステータスを記憶していたものが大勢いたため、ユージのステータスが凡人以下であることが知られている。スキルも持っておらず、ユージが明らかに強くなっているとは誰も思わなかった。
「では、一応ステータスを見せてください。」
そうやってユージはステータスを見せたが、受付以外、彼のステータスを見たものはいない。見るまでもないと思っていたのだろう。
ユージは久しぶりに自分のステータスを開く。
東風 祐二 (ユージ)
15歳
職業 放浪者
装備 なし
レベル 4
スキル 言語理解
自己治癒 Ⅶ
認識阻害 Ⅰ
根性
黒霧 Ⅰ
印刷
体力 8000
攻撃力 4000
気力 4000
防御力 4000
走力 4000
知力 90
そのステータスを見た受付は固まってしまった。
「え、あ、はい。あり、がとうございます?」
なんとか会話を試みた受付さんの話を聞くとユージはギルドを出ていった。ギルド内の人々は、転生者が転生して1年も経たないうちに死んでしまうと笑っていた。後で見なかったことを後悔するのだが。
どうでもいいことですが、今回の話の「そんな会話が聞こえてくるが」の、『ん』が『の』になってしまい、「その中岩垣越えてくるが」と変換してしまっていたことに書き終えてから気がついて直しました。危うくいきなり岩垣の話になるところでした。




