35話 ツキとななしの姉妹の夜
ツキが仲間に加わっていくらか経つと、ななしの姉妹は次第にユージだけでなく、ツキも呼んで一緒に寝ようと言い始めた。ツキも満更でもないようで、快く了承した。
そして寝るときにはお喋りをするのが恒例である。今日のゲームのこと、模擬戦のこと、話すことなど限られているが、真っ暗な中で話をするのは飽きない。ユージのいた世界の話も聞くのが中でも一番のお気に入りだそうだ。その頃の話をすると、リアもやって来てとても楽しい夜になるが、全て話してしまうのも、もったいないような気がしてしまうユージは、時々話すことにしている。
今日はナナがツキに何故このパーティーに入ったのかを聞いた。それはユージも気になっていたことで、ツキがどう答えるか皆が待っていた。ツキは話すことを戸惑っているようだったが、少し悩むと話し始めた。
「ユージのことをすごいと思ったの。普通白い人は嫌がるの。話すことどころか見ることですらなの。それは人間だけじゃないの。魔族も魔族と人間の間と感じているから、白い人は嫌がるの。白い人を奴隷としている人も、髪を染めさせたり、衣服を被せたりして隠すの。それなのにユージはナナちゃんもシノちゃんも隠したりしないの。そしてとても楽しそうに話しているのを見て、一緒にいたいって思ったの。」
確かにその話をしているツキはとても楽しそうであり嬉しそうであった。それに、とツキが続ける。
「今一緒にいて楽しいの!」
「私も!」
「私も…楽しい。」
楽しいと思っていたのはユージだけではなかったようだ。リアも床から出てきて「私も楽しいですよ。」と言った。その日は、夜が更けるまで話は弾んだ。
それから、リアとツキに歳を聞くと、リアは享年23の死んでから30年。ツキは500年以上生きていてもう分からないらしい。




