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31話 魔王城へ

  インフェルノ団を壊滅させてからというもの、冒険者協会は何もできずにいた。もっと強いパーティーはこの国だけでも他に一つあったが、仮に全勢力を懸けたところで、得られるものは少ないうえに、無傷で済むとは思えなかった。だからこそ、ユージ達が暇になってしまったのだ。



「そろそろ、実戦したいね!」


「私も、姉さんと……同じ考え。」


「でも、相手になるような人がいるの?」


「魔族がいるってことは、魔王がいるんじゃないのか?」



  そうしてユージが提案したため、魔王城へ行くことにした。最近ユージのパーティーのメンバーは、将棋とオセロ、そしてトランプしか遊んでいないのだ。鬼ごっこだけでは体を動かしきれていないのである。模擬戦は最近やる必要が減ってきたので、週に二回程度しか戦っていない。



 魔族は基本的にダンジョンに住んでいる。魔族はダンジョン内でなら復活できるという理由もあるが、魔王城は地下にあるのだ。魔王城へ効率良く行くには、地下に住んでしまった方が良い。



  魔族のツキに話を聞くと、魔王を殺したとしても、魔族に大きな影響はでない。そして、新たな魔王がどこかで生まれる。今の魔王は弱いけれど、時々強い魔王が誕生することがある。その時は毎回必ず地上に出てきて、占領し止めることもできないため、寿命で死んで貰う。それまでは人は細々と生きなければならないという。魔族は魔族が死のうと死ぬまいとどちらでも良いの、とツキがそう付け加えると、それでも行くのと聞いた。



「強い魔王が来ても、倒せるよな。」


「ステータスは知力を除いて50000といわれているの。」


「でも、魔王だって生物なら、ななしの姉妹がいる。」


「それもそうなの。殺っちゃうの。魔王城はイキョーのダンジョンからいくと早いの。」



  イキョーのダンジョンに魔王城へと続く道があったのか。



「最下層の、イキョーの部屋の前らしいの。」



  行ってみると確かに道があった。落ちるときツキは翼でゆっくりと降りてきた。いつも小さくしているから忘れていた。お風呂もあれから一緒に入っていないため、小さい翼を見ることも最近なかった。洗いにくかったのを覚えている。ななしの姉妹とユージはこの前と同じくユージを下にして落ちていったが。ユージのスキル≪根性≫が発動することはなかった。そこまでステータスが上がっていたのか。

 そんなことはどうであれ、道を進んでいくと、本当に魔王城があった。地球にそこまで大きい建物はなかった。それだけでかい。魔王城まで魔物は少しいたが、魔族がいる訳ではなく、見張りはいないようだ。もしかすると、魔王城の中にいるのかもしれない。ユージ達は、気を引き締めることもなく、魔王城に入っていった。

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