27話 吸血鬼がやって来ました
インフェルノ団を倒してから、僅か二日後。ユージ達の家を誰かが訪ねてきた。ユージが扉を開けると、金髪の幼女が立っていた。どこかで見たことがあるような顔だ。
「私は、ツキって名前の吸血鬼なの。ほら、君たちとここの家で、会ったじゃないの。」
思い出した。ここの家に最初に会った逆さまになっていた少女だ。ツキがいうには、ここには幽霊が住んでいて、仲良くしているという。リアに聞いてみると、誰だか知らないという。じゃあ、リアとツキを会わせてみよう。
「ほら、私……知らないの?」
「知りません。」
あっさりと否定された。
「仲いいのなら私の名前くらい……」
「嘘つきましたの!」
もう嘘を隠し通せないと思ったのだろう。あと、毎回必ず語尾が「の」になるようだ。
「でも、私この国で一番強い魔族なの!仲間になってほしいなら、付き合ってあげるの!」
さっき嘘付いていなかったのなら、今の話は信じたかもしれない。ただ、嘘つかれたあとに言われても判断ができない。
「血液を操作できるの!血液を体外に出せばイチコロなの!」
「ナナは、水が含まれていれば何でも操作できるけど。」
「その血液を飲めば、ステータスが高くなるの!」
「僕自身、ステータスは実質あげ放題だけど。」
「血液内のヘモグロビンの活動を停止させることができるの。」
「シノは体全体に毒を付与できるけど。」
「え、えっと、血液のヘモグロビンだけとって、体を薄くして、人を驚かせられるの……」
「リアは体消せるけど。」
どうやら皆の長所をそれぞれ持っているが、本人よりは劣化しているということか。
「あと、血液味のトマトジュースって商品で大ヒットさせたから、お金はあるぶん、この人数だったら、遊んで暮らせるの。」
「採用。」
「あ、でも、不老不死スキルを付与できるけど、そしたらずっと遊んで暮らせるかは分からないの。」
「採用。」
なんでそんな長所があったのに最初に言わないの。遊んで暮らせるとか素晴らしいし、不老不死スキルも欲しい。
そうして、金髪ロリのツキが仲間に加わった。ツキのステータスは魔族なので存在しない。人にしかないのだ。となると、白い人もステータスが見えるのだから、ちゃんと人として扱ってあげればいいのに。
ツキのお陰で、午前中の小遣い稼ぎが要らなくなった分、模擬戦をする時間が増えたかというと、そんなことはない。ななしの姉妹と朝遅くまで寝るのだ。




