26話 平和な日々
それからというもの、ななしの姉妹はより一層くっついて暮らすようになった。二人ならんであるいている姿は、なんとも微笑ましかった。ただ、いつものように寝たかったのだが、今日は彼女達二人で寝るそうだ。一人で寝るのがここまで寂しかったのか。なにも話ができない。とても静かだ。
朝起きると、ななしの姉妹が目の前にいた。
「寂しかったから、来ちゃった!」
「戻ったから、大丈夫。」
どうやら、同じ事を思っていたようである。ユージは嬉しくなった。
「あと、これ。」
シノが見せてくれたのは今までななしの姉妹が持っていなかったスキルである。
スキル≪一心同体≫
スキル≪一心同体≫を持つ一心同体の相手と入れ替わることができる。
「これで自由にシノになれるんだ~!」
「私も、姉さんに…なれる。」
これで二人は、二人の体を好きなように行き来できるようになった。明日からまた一緒に寝られる。1日離れただけだったけど、これだけ寂しいとは。
「寂しかったから~また今日一緒にお風呂入ろ!」
「楽しみ。」
それはユージにとって、いつもだったらちょっと遠慮しておきたいものだったが、今日は喜んでOKした。勿論、入るときになって後悔したが。
それを、リアが面白そうに見ている。こんな生活が続いてくれれば良いな。
ただ、ユージがいくら自己中に生きても、いくらいいと思っている生活がそこにあったとしても、変化はする。その変化がまた起きようとしていた。
玄関の扉が開き、そこには見知らぬ大勢の人達がいた。
「冒険者協会から派遣された、インフェルノ団だ。この国で2番目に強いパーティーと言われている。我らにおとなしく付いてくるのなら、危害は加えない。」
名前は凄いかっこいい。そういえば、この国って何て名前の国?
「イーストです。」
リアにもう少し聞いてみたかったが、インフェルノ団は待ってくれそうにない。
「こちらが危害を加えても、文句は言わないでくださいね。」
「やっぱり聞く気を持たないか。インフェルノ団を知らないのなら、インフェルノ団の強さを知らずに、無謀な勝負を挑んでしまうのか。」
やれやれ、というような仕草をして、インフェルノ団の団長らしき男が剣を抜いた。なら、こちらもいくか。ナナ。殺ってやれ!
「スキル≪水操作≫」
インフェルノ団の団長の頭上に大きな水の塊が生じ、インフェルノ団の団長はミイラになった。逃がしてしまうと、何らかの対処をしてやってくる可能性がある。だから、皆殺しだ。
この前までは、ユージが頭を殴ると、首が耐えきれなくなって、頭だけ飛んでいくという状態になってしまったが、今は違う。頭も耐えきれないので、粉砕するようになった。これで、町中を歩いていたら、頭が降ってきた!ということにはならない。ユージは街の人たちに親切にできるようになったのだ。
ユージが頭を粉砕し、ナナがミイラにし、シノが体を毒の紫色にしていくと、誰もいなくなった。一人残らず殺せたようだ。因みに、リアも一人だけ、殺しは出来なかったが、逃げようとした団員の気を失わせることは出来た。きっと幽霊にしかできない芸当でもしたのだろう。家の前が、赤く染まっているのは嫌なので、ナナのスキル≪水操作≫で、液体は遠くへ運び、固体はどうしようもないので、家から少し離れたところに埋めた。
これでやっと穏やかな日々は過ごせるのだろうか。ユージ達がそれを知ったのは、僅か二日後のことだった。




