24話 イキョーと戦いました
中はかなり広く、イキョーがそこでくつろいでいた。
「客か、珍しい。」
流石スキル≪言語理解≫だ。魔族語でもバッチリわかる。イキョーは、一気に戦闘モードになったようだ。黒い霧のようなものを発生させると、それを部屋中に拡散し始めた。
「素早く倒すぞ。」
ユージは、黒い霧のようなものが部屋全体に広がってしまうとそれだけで不利になると感じた。ナナがスキル≪水操作≫で、イキョーの体内の水分をとった。イキョーの体内の水分は出たのだが、イキョーは死なない。黒い霧のようなものの発生は止まったが、イキョーは暫くすると、また黒い霧のようなものを発生させた。シノがイキョーにスキル≪毒付与≫を使うと、少し苦しんだ様子を見せたが、黒い霧のようなものを更に発生させて、さっきの状態に戻った。
「これってもしかして……ナナ!シノ!手伝ってくれ!」
ユージはイキョーの攻撃を防ぎながら、反撃するが、ダメージにならない。だから彼はななしの姉妹のスキルを見ていて気が付いたことがあったので、試してもらう。
「スキル……≪毒付与≫」
「スキル≪水操作≫!」
シノに霧に向かって毒付与をしてもらい、ナナにイキョーの水分を奪ってもらう。
そう。イキョーを見て、ユージが気がついたことは、黒い霧を出し続けているということだ。当たり前じゃないかと思うかもしれないが、ナナのスキル≪水操作≫を受けたときにも、黒い霧は増えていないように見えたが、実際には黒い霧は発生していた。つまり、ナナのスキル≪水操作≫を受けたときには、黒い霧を吸収して、体内の水を戻した。また、シノのスキル≪毒付与≫を受けたときには、体内の毒を水分と一緒に黒い霧として出して、体に毒が回らないようにした。
なら、ナナのスキル≪水操作≫を受けたときに周りの霧がシノのスキル≪毒付与≫されていたら?
イキョーは毒を自分から取り込むか、体中にある、水分をすべてとられたままでいるかのどちらかしか選択肢が残されていない。それは死刑宣告だった。
イキョーを倒すと、スキルスクロールが手にはいった。イキョーは15分後にまたここに復活するそうだ。ダンジョンであれば、魔族は復活できる。だから、魔族は基本的にダンジョンに住む。この部屋の先には小部屋があり、そこにはいると、ダンジョンの入り口に戻ることができる、とななしの姉妹が教えてくれたので、3人で中に入る。すると、目の前には、入り口にいたギルドの人が……いなかった。夜だからだろう。イキョーを倒したと広まれば、コドリより格段に強い冒険者が来る事がなくなるかも知れないと思っていたのに。
スキルスクロールは黒霧というもので、その名の通り、イキョーの作った、あれを作成できる。ななしの姉妹はユージに習得してほしいと言うので、自分が習得した。
一方その頃ギルドでは、イキョーのダンジョンで手練れの冒険者達が軒並み死んでしまっていたので、何かあったのかとギルドは頭を悩ませた結果、イキョーのダンジョンを閉鎖した。




