227話 ホイステームのダンジョン③
よくよく考えたら、嫌がらせをされた時にした相手を探そうとする人もいるのだ。それなのにわざわざ見つけてほしくないものを真っ先に探されるところに置くわけがない。つまり、嫌がらせした場所に注目させて、それ以外のどこかにある何かを見つからないように隠しているのだろう。
となると、探す場所が増えることになるが、姉妹を探すのに比べたら断然こちらの方が探すのが楽だ。ダンジョン内という狭い場所である上に、嫌がらせを受けた場所ではないとわかる。しかし、今まで嫌がらせをされた場所が分からないので、後者は何の役にもたたないのだが。道を戻りながらコケないように何か隠されているものがないか探す。スライムの洞窟のように穴があるのかもしれない。
よくよく探しながら歩いたが、ダンジョンの入り口まで戻ってきてしまった。それなのに何も見つけることができなかった。
一本道なので、別の道がある様子もない。それに気が付いたのが、行きと帰りが同じ時間だったので、恐らく幻覚ではなく、実際にずっと道があるのだろう。幻覚だとしたら、すぐここまで戻ってこられるのではないか。知らないけれども。
いや、待てよ。行きと帰りが同じ時間で帰れたというのはおかしい。行きは嫌がらせを受けて止まっている時間があったり、一回ゆっくり歩いたとはいえ、帰りにじっくり壁や天井を確認しながら歩いたときと、帰りに嫌がらせがなかったからといって速さが同じなはずはない。
もっと重要なこともあるな。嫌がらせを帰りは受けていないのだ。何故やらなかったのだろう。天井や壁を確認しながらなのでいくらでもチャンスがある隙だらけの状態だったはずだ。




