226話 ホイステームのダンジョン②
そのあとも地味な嫌がらせばかり続いた。休もうとしたら座ろうとした岩が動いて座れずに尻餅をついたり、ガムのようなものを踏んづけさせられたり、持っていたものがいつの間にかべとべとしていたり。しかも何故かどこまで進んでも一階が終わる気がしない。
そして、なかなか進めないということは嫌がらせがずっと続くということであり、最初はよくここまで人の嫌がるようなことを思い付くものだと感心していたが、自分に振りかかってくるし、だんだんネタも尽きかけているようで、似たような嫌がらせが増えてきた。
しかし、嫌がらせを受けているうちにあることに気が付いた。嫌がらせを受ける間隔が一定なのだ。
疑問に思ったユージは、今まで歩いていたスピードよりも遅いペースで歩いた。そうすると、嫌がらせは今までよりも間隔が長かった。
つまり、一定間隔で嫌がらせが起こっているというわけだ。そして、一定間隔であると気が付いたということは、今まで気が付かずに見逃していた嫌がらせがないということ。それは、嫌がらせを注目させて何かから目を逸らさせるためだと予想がつく。
ユージは嫌がらせを受けたところで立ち止まり入念に辺りを捜索し始めた。しかし、予想に反してなにも見つからない。
「どういうことだ……?」
何もないとなるとやはり、嫌がらせが一定間隔に作られていてずっと道が続いているのだろうか。いや、そんなはずはない。ここまで長時間歩いていればわかる。普通に歩いていたのならば、ダンジョンとしてはあまりにも広すぎる。そうなればダンジョンなどではなく、ただの魔族の領域であろう。となれば、いつの間にかダンジョンから魔族の領域へと足を踏み入れてしまった可能性が高い。魔族の領域は地上とは言えダンジョンを介して繋がっているのだ。




