225話 ホイステームのダンジョン①
ダンジョンへと入ったユージは早々に足を止めることになる。耳に水が入ったような感じがするのだ。しかし、水は出てくるものの耳に水は入り続けていて、いつまでたっても水が抜ける気配がない。
目前に看板があったので読んでみる。
ようこそホイステームのダンジョンへ! ダンジョンは地味な嫌がらせをコンセプトにしているので始めてダンジョンに挑む方でも安心! 始めはなかなか耳に入った水が取れないあれ!
地味でダンジョンの進行に影響がないとはいえ、ずっとこのままなのが気持ち悪い。絶対ダンジョンの作成者は性格がひねくれている。ホイステームとかいうやつだったっけか。ロリリエールと同じような響きの名前だが、ロリリエールのダンジョンのような正統派高難易度ダンジョンではない。真っ先に耳に水を入れてくるダンジョンが正統派高難易度ダンジョンであるはずがない。
しかし、誰もクリア者がいないということは、いずれ何かやってくるのだろう。ここで立ち止まっていても気持ち悪いだけなので歩き始めようとした途端にコケた。地味に地面がコケやすいように凸凹しているのだ。そもそもダンジョンは地下にあるので少し地面が凸凹しているのだが、このダンジョンはわざとコケやすいように調節されている。分かってしまえばコケることはないだろうが、歩きにくいことに変わりはない。そしてやっぱり地味である。コケやすいように精巧に地面がいじられているのだがその労力を他のことに割くべきだろう。コケるだけで死ぬわけでもないのだ。




