223話 簡単なこと
どちらの方法で行くかどうかで迷っていると、そこにラグがやってきた。
「なんでそんなところで突っ立っていているんですか? 国境に、私のような低ステータスには見えない何かがあるのですか?」
そうだ。ラグに招待されているのだからラグと一緒に入ればいいのだ。ラグの威光を利用すれば見逃してくれるだろう。
「ああ、早めに帝国について、姉妹の捜索でもしてみようかと思って。」
「それなら入出国の情報を調べれば分かりますよ。ほら、あの国境警備、あそこで検査しているので漏れはないよう徹底していますし、擬装も出来ないので載っていないということもありませんし。」
「いや、姉妹を誘拐したとなると姉妹よりも強い可能性が高いだろ?」
ラグは首を傾げる。
「警備員が攻撃されたとなれば情報が来ますよ。そうなれば一大事ですから私にも連絡がくるはずですが、外出中でも連絡が来ていません。まあ、伝えに来るものとすれ違って会えなかったこともよくあるのですがね。」
この世界に連絡手段が存在しない事はやはり、この世界の人間でも困っていることのようだ。
「でも国内が騒がしくなっていませんし、有り得ないですね。」
「そうじゃなくてだな。例えば僕なら帝国内のあそこに見える噴水まで一瞬で移動ができる。姉妹には出来ないが、近い事なら出来なくもないだろう。それより強い誘拐犯がこの芸当ができたとしてもおかしくないだろ? それにその情報を調べるだけで国内を調べないということができるからと潜むのに丁度いいと思われている事だってあるだろう。」
ラグは噴水が見えないのか目を凝らして、ユージを今度は見て鼻で笑った。
「噴水はあるにはあるが、ここから見えるような距離ではないです。出鱈目を言わないでくださいよ。」
「じゃあ試してみるか? ちゃんと記録しとけよ。」
スキル≪転移≫と呟いて噴水のところまでやってきた。目分量だったため噴水の少し奥に飛んでしまったが。
でもここまで行ったらラグが確認できないじゃん。




