104話 海②
海は穏やかで浅いため、溺れたり流されていくことはないだろう。
「何か気持ち悪いのがいる!」
ナナがそう指差したのは海月だった。地球の海月とは形が違って丸いが、浮いているので海月だろう。
周りをよく見ると、至る所で海月が浮いている。
「くっついてきた!」
ナナに海月の触手がくっついている。毒を持つ種類の海月だったとしても、ユージのスキル≪自己治癒≫の効果で毒にならない。万に一つもないけれど、毒が入ってしまった場合でもシノのスキル≪毒操作≫で毒だけ体外に出す事ができるため、じゃれあっていたとしても問題ない。
海月も然程大きくはないので、触手まみれで如何わしいことにもならない。
「これ……ボール代わりに、なる?」
近くにいた中で一番大きい海月でもビーチバレーのボールにするには少し小さいような気もするが、他に良さそうなボールの代わりがあるわけでもないので、試しに使ってみることにした。
ユージが放ったトスは海月のボールに当たると、スパァァアーンと大きい音がしてボールが消滅した。ユージ達が使えるボールは相当な防御力がなければ粉砕してしまうので限られるのだ。
ユージはまた大きい海月を海から持ってくると仲間にした。どうなったら仲間なのかは知らないが、東風団のメンバーとして入っていたので、どうにかして仲間になったのだろう。
するとユージの職業ロリコンにより、硬い海月になる。これでボール代わりになる。
「じゃあ私達からいくのっ!それなの!」
ツキの声を皮切りにビーチバレーが始まった。
勝負はユージとツキのチームが勝利した。が、もう一回やりたいとナナが頼んだので、もう一戦したところななしの姉妹が勝った。
一戦目はステータスの高いユージと血をユージに貰って強化されたツキが身体能力でななしの姉妹に勝った。となると、二戦目もユージとツキのチームが勝ちそうな気がするが、ななしの姉妹がより協力するようになったことと、その二人にユージが見蕩れてしまったことによりななしの姉妹が勝った。
ビーチバレーのコートは途中までは正しいルールと同じくらいの大きさにしていたのだが、ステータスが高すぎてボールがとれてしまうために、全く得点が入らなかったので、かなり広くした。
ユージとしては勝てば普通に嬉しく、更にツキの喜ぶ顔が見れる。負けてもななしの姉妹が喜ぶ顔が見れるため、勝っても負けても得しかなかった。
ライムは審判をしながら海月と遊んでいた。時々海に行ってプカプカ浮いていた。……あれ?もしかして……もしかすると……
「これってスライム?」




