100話 ピィと魔王
100話です!
時は少し遡って
ユージ達がノースを訪れていた頃、ピィは魔王城で、新しい魔王の選定に参加していた。ピィの種族は分からない。ピィ自身も自分の事を知らない。物心ついた頃からピィは最強だった。そして同時に独りぼっちだった。
「ケミスタさん!前魔王ヨキさんのステータス!桁を間違えていましたよ!」
そう叫んだのはヴァンの娘のヴァイだ。ヴァンが殺されてからというもの、仇であるユージの事を調べている。そして遂にユージのステータスの情報を入手したのだ。
魔王ヨキのステータスは知力を除いて5万あると言われていた。知力も決して低いわけではなく、800あると言われていた。弱い魔王だとヨキは言われていたが、ステータスは他の魔王と比べてもかなり高い。最も高いかもしれない。
そしてステータスは一万を越えると9999+と表示されてしまうため分からないのだが、それを確認できるものがいた。そして人々は彼らに敬意を込めて、「超越を知る者」と呼んだ。その中の一人、魔族では唯一の超越を知る者であったケミスタが魔王の側近のうちの一人として、代々魔王のステータスのチェックを行っているのだ。
ヨキは弱い魔王として名が知られた後でステータスのチェックがあり、そこでステータスは5万あると分かったのだ。しかし魔王が弱いという噂は変わることがなかった。
話を戻そう。ヴァイはユージのステータスを見て驚いた。ヴァイはユージの殆どのステータスは分からないと思っていた。いくらスキルでステータスを覆せるからといっても、明らかな差があれば、スキルがあっても勝てないのだ。ヴァイは超越を知る者ではないのでステータスは9999+と表示されてしまう。それでもどれか一つでもステータスが9999+でなければ、そこが弱点である。そんな弱点があるかどうかも分からないが、ヴァイは藁にもすがる気持ちで情報を探っていた。
そしてユージのステータスだが、全てのステータスで9999+は表示されていない。
おかしいと感じたヴァイはヨキのステータスを確認する。そこでも9999+は見ることがなかった。
「嘘……」
そもそもステータス9999+なんて届かない。だからカンストするのだ。わざわざ1万以上を表示出来るようにしたとしても意味がないからだ。時々1万を越える魔王が存在するが、それでも2万には届かない。
そして、ヨキのステータスは全て5000だった。弱い方だ、と言われるのも納得のステータスだ。
桁を間違えてしまったとしてもケミスタは魔族にとっては逸材だから、引き続き魔王の側近である。ヴァイもヴァンが殺されたため、魔王の側近となった。
そして、ケミスタは新魔王のステータスを確認する。確認するのはピィのステータスだ。ピィが新魔王になったのである。魔王としての名前は考えている所なので、名前はまだない。
魔族なのか分からないピィだが、魔王の選定では圧倒的な強さを見せつけた。他の魔王候補が束になっても、赤子の手を捻るように完封するピィが自ら魔王を志願する、つまり魔族の仲間になるのだ。他の魔族からしたらありがたいことだった。
「今度こそ本当に全ステータス5万です。体力が10万で、知力は2000です。」
ヴァイはまた桁を多く数えたと思った。全ステータス5万も知力2000もあり得ない。まして体力10万など。
ピィも超越を知る者であったため、自分のステータスを知っている。
体力 1000000
攻撃力 500000
気力 500000
防御力 500000
走力 500000
知力 20000
ケミスタの桁ミスはなかなか治りそうにない。




