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98話 ハール戦①

砂漠を抜けた先にあったのはハールの部屋だった。ここが最奥だろう。ハールは羊のような姿をしていた。毛は白くモコモコしていて、思わず触りたくなってしまう。



「これが、ハール?」



動物園で触れ合えそうなほどの姿でボスらしさが感じられない。ハールというよりはウールだ。試しにユージが軽く攻撃してみる。


すると、先程までの愛くるしい姿を微塵も感じられない羊になった。結局は羊だった。けれど角は攻撃的な角に変わり、真っ白だった毛は黒くなった。草食動物と言われたら「嘘だ!」と答えてしまうだろう姿だ。


ハールの毛は電気を帯びていて、バチバチと鳴っている。ハールの毛はまるで雷雲だ。



「何をしてくるか分からないし、どんな攻撃が来るかも分からないから、一丁殴ってみるか。」



ユージは相手が分からないときは殴ってみている。たとい相手が爆発物だったとしても耐える事が出来てしまうユージならではの芸当だ。



「メェェェェェ!」



明らかに殴ったら感電しそうなハールを殴ったユージはスキル≪自己治癒≫のお陰で感電せずに済んだ。しかしハールは無傷では済まなかった。


そして叫び声まで羊だった。ユージは本物の羊を見たことが無かったので本当にメェメェ鳴いているのかは知らないが。


羊はまた変化している。今度はどんな姿になるのだろうか。


ユージは知らなかった事だが、ハールが羊のときは、天気がハールの毛によって操作され、尚且つハールの毛で本体に攻撃が通りにくいため倒すことが難しいのだ。ユージは天気が変わる前に本体に攻撃が届いてしまう殴打をしたため、次の変化からがボス戦だと思ってしまっている。

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