教材研究をしよう!(後編)
おそらく今年最後の更新になります。年末のこの忙しい時期に読んでくださる皆さまに感謝を込めて。
それでは皆さまよいお年を!
教材研究は、子どもたちを理解することだけでなく、自分のためにもなる。
内容が重複する上にとても当たり前のことなのだが、塾講師の仕事は、子どもたちに「わかった!」と「なるほど!」を与える仕事である。まずは教える側の講師自身が教える内容を理解していなくては話にならない。
そして、教材研究にあまり力を入れないまま授業に臨んでしまうと、───結果は推して知るべし、だ。いやまぁ、ベテラン講師なら違うのかもしれないが、ないないづくしのド新人に訪れる結果など、想像に容易いだろう。授業がまったくと言っていいほど成り立たなくなる。まさしく自滅、もしくは自爆である。はっきりと言うならば、お金を払う価値などないレベルの授業だ。振り返ってみれば当たり前のことなのだが。
教材研究をしないと自信がなくなる。自信がなくなるとその不安が子どもたちに伝わる。不安が子どもたちに伝わってしまうと瞬く間に授業が崩壊する。授業が崩壊してしまうと、そこでもう私の授業はお金を払うに値しない授業となるのだ。いや、不安が子どもたちに伝わってしまった時点でお金を払ってもらう価値などないのである。そんな授業の授業内容など当然ズタボロ。常々言われているような「疲れていても来たい」と思わせるような授業であるはずもなく、子どもたちの目も冷たい。
つまり、教材研究は自分に自信をつける行為でもあるのだ。授業のシュミレーションなども当然、必要ではあるが、教材研究をして、自分がどうやって解いたのかをもう一度確認し直す作業ほど自分を安心させてくれるものはない。というか、いくら教材研究をしてもやはり経験は大事だし、不安なものは不安である。しかし、授業の内容に関しては、もちろんクオリティは置いておくにしても、余裕と自信が生まれるため、それなりに安定するのだ。