教材研究をしよう!(前編)
子どもたちを相手に授業をする上で何よりも大事なのは研修ではなく、教材研究だろう。いやもちろん研修をおろそかにすることもあってはならないけれど。だが、主な授業内容は、子どもたちが解いた問題の解説。当たり前のことではあるが、講師も最低でも一度は問題を解くことで問題の内容を把握し、理解していなければならない。というか、そうでなければ授業を行う意味どころか、わざわざお金をかけてまで塾に来させる意味もない。教材研究は講師を名乗る以上、義務である。…と、私は思う。
それから、自分が解いた内容をどうやって言葉にして子どもたちに教えるのか。
───これは、私の中で上位3つに数えられるほど大事なことでもある。なぜなら、少なくとも国語に関しては、自分の解き方を子どもたち相手にわかりやすく説明しなければならないからだ。
以前にも書いたが、得意な教科は、得意な教科であればあるほど教えることが難しいことが多い。意外に思うかもしれない。だが、よく考えれば、そこまで意外な話でもないのだ。いや理系はわからない。理系に関してはまた話が違うのかもしれないが、文系に関しては得意なものであれば感覚で解くことが多くなる。つまり、答えを導くまでのプロセスを無意識にやっているのである。いや、当たり前すぎていちいち思い出すこともない、言ったほうが正しいかもしれないが。
そういった細かな作業を一つ一つ言語化していくのは思っているよりも難しい。自分ができることは、相手もできるとつい思ってしまうからだ。相手は何ができなかったのか、どうしてできないのか。子どもたちのことをより一層理解するためにここで教材研究が必要になってくるのである。