表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/179

12.呼び出し

 翌日、何故か楓から呼び出しがあった。


 待ち合わせ場所は例によって道具屋の前。

 既に二人は来ていた。

 目が合うと、楓が満面の笑みでサムズアップをかましてきた。


「流石はジンさんです!」


 声がでかい!

 慌てて駆け寄る。


「とりあえず、場所を変えよう」


 ニケさんと行った酒場へ向かう。

 あそこには個室がある。


 席に座っても楓の興奮はおさまらない。


「いやーソロでボス討伐とか、どんだけ鍛え込んでるんですか!?

 流石、死体を探れる人は違いますね!」


 喧嘩売ってるな?


「純粋に誉めてるんですよ!?」


 褒め言葉になってない。

 それよりなんでソロ討伐とか知ってるんだ?

 桜にはそこまで伝えてないが。


「闘技大会、出るんですよね?」


「ああ。エントリーは済ませて来た」


「目指せ、優勝ですね!」

 私達も現地に、応援に行きます!

 なので!

 ジンさんは私たちとパーティーを組んで、戦都までエスコート宜しくです!」


 いや、待て。


「か弱い女子、二人だと何かと心細いんです。

 頼るべきは、死体を探れる男子です!!」


「よし、分かった。

 桜のドラゴンも見たいしな。

 その代わり条件がある。

 二度と死体云々と口をするな!

 な?」


 楓に思いっきりアイアンクローを喰らわせる。


「うぐぅ、イタイ、痛いです。ストップ、ラジャ、了解、了解です」


 痛覚なんかないだろ。


「で、何時にするかなんだが、二人共闘技大会でるのか?」


「いやーそこまで武闘派じゃないですよ。やだなー」

「私も、後衛のサポート役なので」


 よし、じゃ。

「明後日。

 大会受付締切の次の日、でどうかな?」


 それまでは、大会出場を目指す猛者、もしくは身の程知らず共の戦都への大移動で、西フィールドは大混雑だろう。


「了解です!

 でも、どうしてですか?」


 目立ちたくないんだよ。

 ただ、呪いの説明は、面倒だから止そう。


「えーっと、あれだ。闘技大会に向けてライバルたちに手の内を明かしたくない。だから目立たないようにしたいのさ」


 で、納得するかな?


「ほう。流石は……

 そう、策士ですね!」


 納得した。

 でも、今、死体って言おうとしただろ?


「そうだ。

 桜にMPポーションをお願いしたいんだが。

 もちろん代金は支払う。

 出来るかな?」


「もちろん、大丈夫ですけど、今は在庫がなくて」


「あぁ、そこまで急いではいないから大丈夫。

 そうだな、戦都へ行く日に何本かあると助かる」


「はい。用意しておきます!」



 二人と別れた後、オレは冒険者ギルドへ向かう。


 ギルドの親父がうんざりした顔で言う。

「こんなことは言いたくねーんだが、ここはお前の家じゃねーんだそ?」

 言いたくなければ言わなきゃ良い。

「ったく、依頼の一つでも受けて欲しいもんだ」

 そのうち気が向いたらな。

「そう言えば……」


 ついでなので、親父から軽く情報収集。




 さてと、最早お馴染みとなった迷宮内で脳内作戦会議。


 術式分解を使った魔法強化は強力だ。

 しかし、せっかくのイベント。

 ちゃんと試合をした上で勝ち上がりたい。

 超火力一発ドーンではなく。

 無いと思うが、それで耐えきられたら何もできないしな。


 術式分解と、各魔法のの特性を掴んでより有効的なパラメータ振りを把握したい。

 そして、残りのSP110を使って、奥の手となるようなものを用意しておきたい。


 候補は、ある。


 多少賭けになるが、【技能融合】だ。

 コスト70はバカにならないが、同じコスト70である、【術式分解】の強力さは既に実証済み。

 であるならば、【技能融合】も強力な切り札になる可能性は十分に、ある。


 というか、オレの場合真っ当な強化方法が、呪いの紙防御故、あまり意味をなさないので、取れる選択肢が多くない。

 1vs1の戦いにおいて、一撃も貰わずに勝ち上がるためにはいかに奇襲を成功させるか。

 これしかない。

 となると必然的に他者が取ってないであろうスキル、もしくは情報の出回っていないスキルで意表をついていくという結論に行き着く。




 こうして、あっという間に二日間が経ち、ひとまず、術式分解に次ぐ切り札が二つ、なんとか形になりつつあった。


 ただ、いい加減、迷宮とオレのレベルが釣り合わなくなってきた。

 無限湧きする雑魚共はほぼ一撃。丸二日間戦い通しでもレベルアップに至らない。

 闘技大会のことを考えると、1vs1で歯応えのある相手とバトルがしたいのだが、そろそろ本格的にフィールドの攻略を進めるべきか。他のプレイヤーと遭遇しないこの迷宮は非常に心地よい。ミノタウロスと再戦出来ればそれに越したことは無いのだが。


「出来るぜ」

 というような事を冒険者ギルドの親父の言ったところ、この返事である。


「【強敵ライバルモード】てのがある。

 なんと、このモード、倒すとその度により強力になって蘇る!

 まぁ、おまけモードだから経験値は微々たるもんだし、強くなってももらえる経験値は変わらねぇ。

 何のためにあるのかよくわかんねぇ代物だったが、まぁお前さんのような変人向けってことだな」


 ぐ、変人てのは否定出来ない。同じ迷宮に半月入り浸るとか自分でもどうかと思う。


 明日は楓たちとルノーチに行く予定だが、その後時間があれば試してみよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作もよろしくお願いします。
サモナーJK 黄金を目指し飛ぶ!
https://ncode.syosetu.com/n3012fy/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ