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10.三度ミノタウロス戦

 ふぅ。


 オレは三度ミノタウロスと対峙している。


 三度目の正直となるか、二度あることは三度ある的に逃げ帰るか。


 攻撃パターンは粗方頭に入っている。


 巨大な体躯から繰り出される、両手斧の一撃を回避しながら魔法で削る。

 決して接近戦に持ち込ませない。常に一定の距離を保つ。


鎌鼬ウインドカッター

 風魔法がミノタウロスの二本目のHPバーを破壊する。


 そして、来る!


「ヴゥモォグゥアアアアアアアァァァ!!」


 怒りの咆哮。大音量に一瞬身体が硬直する。

 そして、オレに向けて両手斧を投げつけてくる。


 昨日はこのコンボを避け切れずに死に戻った、

 だが!


岩盾ロックシールド


 眼前に4メートル以上あるダークグレーの物体が出現する。

 盾と言うよりは石碑やモノリスという形態。まるで壁である。

 壁は飛んで来る両手斧と衝突し、鈍い衝撃音を響かせる。


 自身の攻撃が防がれたことを悟ったミノタウロスが、武器を拾うくべく距離を詰めてくる。

 そこへモノリスの影から魔法を浴びせる。


 しかし、さして勢いを弱めずミノタウロスは再度両手斧に手を伸ばす。


 そしてその柄を握りこんだ瞬間、


「ギィアァァァァアァァァァ」


 悲鳴を上げながら両手斧から手を離す。


 火魔法【火熱ヒートボディ】。

 本来、術者の身体にまとわせ、近づくものに対して熱によるカウンター攻撃を施す魔法である。

 これを、ミノタウロスの武器に仕込んだのだ。


 この隙に、ミノタウロスから距離を取り虎の子のMPポーションでMPを回復させる。


 怒りの視線がオレを捉え、直後ミノタウロスが全力で突進してくる。

 所詮は牛の化物か。


岩盾ロックシールド

 ミノタウロスは眼前に再度出現したモノリスに、そのまま激突しオレに向けた突進の威力をその身で受ける。


氷柱アイシクルランス

 そのまま背後から氷で串刺しにする。

 一発。二発。三発。


 それが止めであった。


 ミノタウロスは断末魔の叫びを上げる事無く光の粒子と化し消えていった。



〈ポーン〉

〈鍛錬の迷宮ボス・ミノタウロスを撃破しました。〉

〈ボス討伐ボーナスとしてSP10獲得しました。〉

〈単独討伐ボーナスとしてSP30獲得しました。〉

無傷パーフェクト討伐ボーナスとしてSP30獲得しました。〉


 おお、いろいろもらった。

 そして今の戦闘でレベルもアップした。


 【ジン】 #LV.8

 HP:100

 MP:200(↑15)

 STR:14

 VIT:5

 AGI:29(↑4)

 DEX:26(↑2)

 INT:45(↑7)

 MIN:16(↑2)

 SP:100(↑10)



 はー。長かったな。

 部屋の最奥に、王座のつもりかでかい石造りの椅子が備え付けてある。

 ミノタウロスはここに鎮座しオレを待ち続けていたのだろうか。

 近づいて腰をかける。

 足を組み、肘を立ててその上に顎を乗せると、どこぞの魔王様にでもなったような気分だ。

 まぁ、配下には誰も居ないのだけれど。


〈ポーン〉

〈おめでとうございます。鍛錬の迷宮を踏破しました。〉

〈踏破ボーナスとしてSP10獲得しました。〉


 とインフォが流れる。



 さて、明日から目標はフィールドボスを撃破して闘技大会にエントリーすることか。

 何故か、期待してくれる人がいるので参加資格ぐらいは取っておきたい。


 桜にMPポーションの感想というか、助かったという内容のお礼のメッセージを送ってログアウトした。




 翌日、ログインしたオレは再度迷宮に篭っていた。

 理由は簡単。レベル上げ。

 ネットにまとめられたニケさん達の西のフィールドボス討伐レポートによると推奨レベルは10以上らしい。

 六人パーティーでだ。


 オレの場合、今のところソロで討伐予定なので圧倒的にレベルが足りない、と思われる。


 ということで飽きもせず迷宮籠りを続けることとする。

 いや、飽きてはいるけどね。


 最下層で、ミノタウロスに再挑戦出来ないかという、淡い期待もあったがそれは叶わなかった。

 その代わり王座の間がモンスターハウスになっていた。

 倒しても、絶え間なくモンスターがポップしてくる。

 さらに、迷宮クリアの特典であろう。最初から行き先階が選べるようになった。


 結果、玉座に座ってモンスターがポップするや否や魔法を浴びせ即消滅させるという、なんというか作業感あふれる経験値稼ぎが可能になった。


 そんな刺身の上にタンポポを乗せるような日々を三日程過ごし、LVも2つあがって、現在10。


 【ジン】 #LV.10

 HP:100

 MP:230

 STR:14

 VIT:5

 AGI:37

 DEX:31

 INT:59

 MIN:19

 SP:130


 今更ではあるが、ステータスの偏りが酷い。

 魔法スキルは全てLV.5になっている。

 LV.3になった時点で各属性、防御魔法の追加があり、現在使える魔法は12種類。

 魔導書を装備し使っていた魔法群はLV.1となった時、つまりスキルを取得した時に強化版へと変化している。


 で、この魔法スキルレベルの恩恵か、それとも淡々と魔法を発動し続けた恩恵かは定かでないが、


〈ポーン〉

〈称号【魔導発動者マナコントローラー】を獲得しました。〉

〈称号相関により、【術式分解】が取得可能となりました〉


 という、インフォとともに


 称号:【魔導発動者マナコントローラー

 魔導の理を紐解く者。

 魔法発動後のクールタイム短縮(小)

 魔法威力向上(小)

 魔法消費MP軽減(小)

 【高速詠唱】取得可能


 という称号を得た。


 【高速詠唱】は読んで字のごとく、魔法の連続発動が可能となるようだ。必要コスト30。

 が、LV.1魔法で2秒程度のクールタイムが、称号【魔導発動者】の恩恵で1秒ぐらいに短縮されたようだ。

 この先は必要となるかもしれないが、今のところは保留でいいだろう。


 そして、インフォにあった、【術式分解】。

 ヘルプによると


 スキル:【術式分解】#必要SP 70

 理の根源から、魔導の流れを再構築し、発現させる。

 対象:火、雷、風、水、氷、地


 とある。


 うーん、謎だ、

 しかもコスト70ってかなり重いんじゃないか。

 その分、強力なんだろうか。



 そして、もう一つオレを悩ませる存在がある。


 スキル:【技能融合】#必要SP 70

 技能を掛け合わせ新たな境地へ昇華する。


 これは、スケルトンを殴るときにメイスを振り回していたおかげでスキル【棍棒】自動取得した時に同時に得た称号【技能体得者スキルマスタリー】の恩恵だ。


 称号:【技能体得者スキルマスタリー

 自ら技能を悟り求める者。

 スキル使用経験値増(微)

 【技能融合】取得可能。


 こちらも、コスト70と重い。

 なんとなく効果は想像できる。

 例えば【長剣】と【火魔法】を掛けあわせて【火魔法剣】というオリジナルスキルを生成するような感じだろう。

 ただ、その場合ベースとなったスキルの扱いはどうなるのか。残るのか消滅するのか。

 【火魔法】と【水魔法】というような結果が想像できないような組み合わせはどうなるのか。

 などなど、ちょっと不確定要素が多すぎるのである。



 悩ましい。

 非常に悩ましい。

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