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第六話 ギルド勢力(暫定)

三日ぶりの街だ。人がたくさんいる。そう思うとなぜだか少し嬉しい。

そう、俺は三日間ダンジョンにいたのだ。食べ物?リザードマンが落とす蜥蜴の肉で命をつないでいました。

でもま、感動はあと。とりあえず…

「カズキの店に行くか…」

俺は待たせているであろう相棒の店にいそいだ。



「お!レイ。どうだったよこの三日間」

店のカウンターに立っていた久しぶりに会った相棒は開口一番にそういった。

「まぁまぁかな? それなりに有意義で楽しかったよ」

いろいろ技の実験できたしな。

「なるほど、ま、お互いに話すことはあるだろうが奥に行こうぜ。聞かれたくないからな」

カズキは店内にいた客に「すまん。閉店です」といって追い出し、俺たちは奥の工場へ向かった。


「まずは、うちのギルドに関してだな」

カズキは俺が工場にある小さな木製の椅子に座ったのを確認して言った。

「うち、【クレイオス・アタランテ】はお前のおかげでかなり有名になった」

「え? なんで」

俺が理由を聞くと、自分もうれしいのだろう、少し笑いながらカズキは言った。


「理由は二つ。一つ目は市場で俺が【クレイオス】名義でリザードマンの素材を売ったからな。かなりボッたからぼろもうけだぜ。そして二つ目に、お前三十分ほど前に砂漠攻略しただろ? あれでいっきに有名になったぞ」


まぁ、通常工程を何個もとばしてクリアしてるんだ。それぐらい有名にもなるだろう。

「そして、次だな。ゲームも5日目になってトップのギルドが判明してきた」

「お、もう明確に差が出てきたのか…」

もっと時間がかかると思っていたのに。

カズキは続ける。


「ああ、今は実力のあるギルドが四大ギルドって言われてる。まず、【熾天使フローズド・セラフの使い】だな。メンバーは5人で、ギルドマスターはガロード、あとお前も知ってのとおり柚希さんがいるとこだな。最も進んでいるのがこのギルドだ」


ああ、あのむかつく野郎のところか…


「そして次に、【聖王の騎士団ロイヤルパラディン】だな。ここは…春樹がギルドマスターやっていてな。女性から圧倒的な支持を得ているギルドだ。メンバーは50人ほどで剣士ばっかりだな」


「ちょ、ちょっと待て! 春樹のやつギルドマスターなんかやって大丈夫なんか!?」


あの変態がリーダーとか嫌な予感しかしない。

俺が焦ったように聞くとカズキは少し顔をひきつらせながら


「大丈夫じゃねぇな。あそこは50人全員イケメンなんだよ。あと知られていないが全員ホモ。全員春樹に洗脳されてな。たぶん奴らに見つかったらお前、掘られるぞ? なんせ春樹のやつお前の話ばかりしてたからな」


な、んだと…ばかな、俺はこれから春樹(変態)×50から逃げないといけないのか? 気が重くなる。

「あ~まぁ、なんだ。がんばれよ」

ポンポンと俺の肩をたたく。うるせぇ。同情するなら金を…っとあぶないあぶない。


「その次、【導きの聖女達ジャンヌ・ブランティナ】名前の通り女ばかりだ。しかも魔法系統に特化した奴が多い。メンバーは5人、ギルドマスターはヨハンナ。ここは美人とか美少女ばかりだ。あと華菜ちゃんもここにいる」


華菜もか…あいつら全員有名人じゃん。


「で、最後が俺たち【クレイオス・アタランテ】だ」


「…え?俺たちも入ってんの?」

なんで? 意味わからんよ。

しかし、カズキはさも当然といわんばかりの顔で続けた。


「当たり前だろ? だって俺たちは唯一、南のダンジョンで暴れられるギルドだぜ? 金も素材売りまくったからかなりある。順調だな」


話が切れたところで俺は前から疑問に思っていたことを聞く。

「なぁ、そういえば俺たちの拠点ギルドハウスってあるのか?」

「え? ないけど。いや、言ってみれば俺の店がギルドハウスかな?」

そんなんでいいのか?確かに二人だけだし…


「そうだなぁ、まぁ、いつかは作るよ。今はいらない、それにギルドは運営に申請して金さえ払っておけば今は問題ない」


俺よりこのゲームを熟知しているこいつが言うのだ。それでいいのだろう。俺はひとまず納得することにした。


「あ、カズキ。アイテムまたさいっぱいになったから渡すけどいいか?」

「ああ、全然OKだぜむしろ感謝だ。ギルドの資金がバンバン増えるぜ」

そして俺は素材をカズキに渡す。


それから少しカズキと他愛もない話をしていた時だ。


「運営からのお知らせです」


急に音声が聞こえ、それは部屋の中に響いた。

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