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暗雲
サークルに行ってみてまず感じたのは違和感。
人数が少ない……?
それでも何百人といるサークルだし、ただの気のせいだということにしておこう。テストが近いから少ないだけだ。
サークルが始まる前に彼の挨拶がある。一番広い教室を借りているが、人数が多すぎて挨拶しているときの彼の顔をまともに見たことはない。
でも今日は違った。
「みんな、今日も元気かい?」
彼の青ざめた顔がはっきりと見える。
……何があったの?
「今日は……ちょっと残念な話がある。」
ただ事ではない彼の表情に教室にいる全員から一斉にどよめきが走る。
「みんな、頼む。静粛に……。静粛に……。」
彼が冷静になだめるが、いっこうにどよめきが収まらない。少しいらいらしてきた。黙って彼の話を聞いたらいいのに。何でそれができないかなぁ……!
どうやら彼もそれを思っていたらしい。
「ちょっと黙れぇ!」
机を思いっきりたたいてハッとする。
「あ、いや、すまん……。」
今度こそ静まりかえった教室。全員の目は彼に向けられている。
こんな彼は見たことがない。
本当に何があったの!?