断絶
「ん……。」
気づいたら朝で、一日を泣いて過ごしていたことに唖然とした。うそ、今日何日!?
時計を確認して時間がやばいことを悟ると、急いで支度をして家を飛び出す。
間に合わないかな……。
ぎしぎしとなる自転車がいつ壊れるかを考えながら、大学に向かってペダルを思いっきり踏んづけた。
ぎりぎりセーフで教室に駆け込み、息を弾ませながら席に座る。危なかった……。
そう思っていると後ろから声をかけられた。
「やあ。」
「きゃっ!?」
「あ、ごめん。驚かせちゃったかな?」
「い、いえ……。別に……。」
どどどどうしよう……。一番会うかどうか迷っていた人に真っ先に会っちゃった!
う、顔を上げられない……。
一瞬気まずい雰囲気が流れる。
「あの……、昨日はどうしたの……?」
昨日? そっか知るわけ無いもんね。とはいえずっと泣いてたなんて言えないし……。
「ちょっと風邪を引いちゃって……。でももう大丈夫。」
顔を上げて笑ってみせる。
「……。」
二人で見つめ合って少しの時間が流れた。
彼は私の顔に何を見たのだろうか?
私は彼の顔にすでに恋はできないということを見て取った。