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接吻
瞬間、頭を抱えられる感覚。直後に私を襲う、頭がしびれた感覚。理解したときには全てが終わっていた。
「……これで……いいかな……?」
「あ…………。」
終わっちゃったんだ……。何も分からなかった……。
「あの……。」
彼がなんだろうという顔をする。もう一度。それを言えはしなかった。いつのまにか私に住み着いていた引っ込み思案が私を思いっきり邪魔する。
「何……?」
口が、動かない。言いたいことを言えない。もどかしい。
いいのかな? これでお別れなのに、こんなんでいいのかな?
「明日もいつも通り接してもらえますか……?」
彼の顔が輝く。おそらくそれを彼も心配していたんだろう。本当に私が言いたかったことではないのに。
「ああ、もちろんだよ。」
かえってきた返答は恋心の息の根を完全に止めてしまった。