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ブラックな冒険者パーティを脱退した俺は自由気ままに誰かの役に立ちます~このレンジャー、いろんな意味で凄かった件~  作者: カワチャン
第二章

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第63話 俺の出自

リュウトの出自が明かされます!

「自分が……勇者の血筋を受け継いでいる……?」

「そうだ。古くからある文献や資料を基に調査したことを話させてもらおう」


 陛下から告げられた言葉を聞いた俺の顔には驚きの表情が張り付いた。

 あり得ない感情が沸々と湧いてくる


「勇者とは魔王を打倒するための切り札とされる存在だ。遥か昔に誕生した初代勇者も元は人間。普通の人間より長生きはできたのだろうが、長命で知られるエルフ種のように何百年も生きてはいられない。だが、初代勇者は新たな魔王が誕生してしまうことを懸念していた。その脅威から長きに渡って守るためにはどうすればいいかを考えていた時、初代勇者は自分の血筋を受け継ぐ者、言うなれば、跡取りを残すことに焦点を置いたのだ」

「跡取り?」

「初代勇者は魔王を討伐した功績によって、一国の国王よりその国の第一王女との結婚を認められた。それから子を授かった初代勇者はその血筋を絶やさないようにするため、側室のような制度を採用することとなったのだ」

「側室……」


 エレミーテ王国では当たらないが、王族や貴族が本妻以外にも側室と言う、実の配偶者以外にも異性と関係を持つ形で側に置いておくことを許されている国もある。

 今の時代で言えば、『愛人』や『(めかけ)』と言われている。


「その制度によって初代勇者の血筋を将来に渡って受け継がせるため、遠い昔から続けられてきたのだ。だが、その事実が世に知れてしまうことも徹底的に避けてきた。これは何故か分かるか?」

「初代勇者の血を受け継いだ実子以外にも、それを持っていることが万が一にも魔王軍にバレてしまうと、躍起になって一人残らず始末に乗り出して来るからでしょうか?」

「それもある。他にも、自分が本物の勇者だと名乗り出てはそれを笠に着て横暴な振る舞いや犯罪に走ろうとする輩を出さないためでもある。だから厳重に扱ってきたのだ」

「その話を私にするということは?まさか?」


 自分が勇者の血筋を受け継いでいることを陛下に伝えられ、さっきまでの話を聞いていくらか予想はできていた。

 そして……。


「そうだ。リュウト。お前の生まれ育った町には遠い昔、勇者として魔王軍と戦った者の先祖の一人がいたのだ。その苗字がドルキオス。そなたはその生き残りなのだ」

「なっ!?」


 陛下はハッキリした表情と声で告げるのだった。

 俺は雷に撃たれたような衝撃を受けた。

 勇者の血筋を受け継いでいる?この俺が?


「信じられません。両親はおろか、自分が育った町の人たちからも……誰からも教えられなかったものでしたので……」


 正直な感想、衝撃は受けても実感が湧いてこない。

 幼い頃からおとぎ話や冒険譚を読んできた方ではあるけど、自分の遠いご先祖様が勇者であることを結びつける要素はまるで見当たらなかったぞ。


「それからもう一つ。シャーロットたちと赴いた遠征先で神武具セレスティアロを手に取るように言われなかったか?」

「はい」

「あれはな……そなたが勇者の血筋を引いていることをハッキリと確認するためでもあったのだよ」

「そうだったのですか?」

「遠征に出向く直前、陛下から初めて聞かされた時は疑念の方がまだ強かったのよ。だからあの時、手に取るように仕向けたの。だけど、陛下の考えていたことは正しかった。セレスティアロを手に取ってみせたのが何よりの証明よ」


 神殿の最奥で取らせたのはそんな意味があったからなんだな。


「それから、わたくしたちがギルダスと戦っていた時、リュウトさんには勇者の血筋を引いているかもしれない兆候がございました」

「メリスさん?」


 すると挙手をしたメリスさんが話す。


「リュウトさん。“破魔光の矢”を撃とうとした時、普通の人が使うよりも金色の光を発していたのをご存じでしたか?」

「え?いえ、全く。相手しか見ていなかったもので……」

「そうでしたか?」

(まぁ、意識して見ないと分からないくらいですからね)


 思い返せば、ギルダスとやり合った時は一回しか使っていないのに加えて早撃ちだったからな。


「おほん。では、話を戻させてもらおう」


 陛下が咳払いしながら、真顔になった。


「改めて言わせてもらうが、リュウト。そなたには勇者パーティに入ってもらいたい」

「……」


 陛下が真っ直ぐな目で俺を見ている。

 するとシャーロットさんが椅子から立ち上がる。


「リュウト。決めるのは君だけど、私としては是非にと思っている。ギルダスとの戦いで確信しているんだ。聖弓セレスティアロはリュウトを選んだと。それに、そんな君が一緒に来てくれるならば、心強く思うんだ」

「シャーロットさん」


 美しくも凛々しい顔つきで俺に手を差し伸べるシャーロットさん。

 魔王討伐の旅は過酷を極めるのは分かり切っているつもりだ。

 だけど、今はこうして俺を必要としてくれる人たちがいる。

 大切なモノを守れるならば、俺にそんな力があるのなら、やってみたい。


「はい。俺なんかで良ければ、お願いします」

「ありがとう!」


 俺は差し伸べられた手を取った。


 こうして、この俺、リュウト・ドルキオスは勇者パーティの一員となるのだった。


◇———


 エレミーテ王国より北にある魔族領の中心地。

 小山のようにそびえ立つ不気味さを感じさせずにいられない、石造りの大きな建物の一室に響く。


「あ~あ。幹部会議なんて面倒臭いったらありゃしないぜ~」

「本当にそれよね。使いの者を寄こして伝えればいいのにわざわざこう呼び出されたら、煩わしいったらありゃしないわ!」

「仕方がなかろう。ギルダスがやられたなんて話を聞いたら、こうなるのも想定できないほどに頭が足りないのか?」

「あんっ?何だテメエ?喧嘩でも売って———」

「よしなさい!」


 二つの男性の声と一人の女性の声が入り混じろうとした瞬間、場を征するような圧を伴った一人の女性の声が響く。


「魔王様も直にお見えになるわ。はしたない態度だけはしないようになさい」

「「「……」」」


 魔王軍の幹部の一人であるメーディルは言い聞かせるように宥められた三名は途端に大人しくするのだった。

 声のトーンは落ち着きながらも、そこに込められた威厳と圧力は凄まじかった。


「「ッ!!」」

「申し訳ございませんでした」

「我々がここに招かれた理由、分かっているでしょう?」

「はい」


 メーディルに従うように、他の幹部たちも押し黙る。

 すると、扉が開いた。


「全員、揃っているわね」


 一人の女性が黒い装束と甲冑に身を包んだ男性と共に入って来る。

 赤黒く染まっている腰よりも伸びた髪と仰々しさを感じさせるような黒に近い紫色のマントをなびかせながら、部屋にある椅子へと腰を掛ける。

 ただ座っているだけでも、人や物を問わず圧し潰さんばかりのプレッシャーを放っている。


「者共よ。我らの先行きを決めるための話を始めようぞ」


 油断していると引き込まれそうになるような鮮血のように赤く輝く瞳と両側頭部からヤギのような角を生やしている人物こそ……。


「まずは……。茶でも入れようかな?」


 勇者パーティが討伐を目標としている魔族の頂点にして、当代の魔王。リザエラである。

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