表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラックな冒険者パーティを脱退した俺は自由気ままに誰かの役に立ちます~このレンジャー、いろんな意味で凄かった件~  作者: カワチャン
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/104

第62話 加入の願い

とんでもない頼みをされます!

「……」

「時間を取っていただき感謝する」

「いえ、滅相もございません」


 陛下との謁見を終えた俺が今いるのは王宮の中にある陛下の私室だった。

 謁見の間のような豪勢さとは違い、上質でこそあるが、壁も置いてある家具もシンプルであり、嗜好品のような装飾品も必要最低限しかない。

 自分が使う部屋には個性が出るとは思っているけど、こうして見渡すと陛下の人柄が垣間見える。

 あまり自分を飾らない人なんだなって。


「もう一度言わせてもらうが、此度の遠征、大義であった」

「ありがたきお言葉です」

「そんなに硬くならなくてもよい。今は非公式の場であるから、楽にしても構わんよ」

「しかし……」


 正直に言って、俺の心中は穏やかではない。

 なぜなら……。


「リュウト。陛下もこうおっしゃっているのだから、素直に従った方がいいよ」

「では、お言葉に甘えさせていただきます」


 正面にいる陛下の斜め横には勇者パーティのリーダー格であるシャーロットさんであり、同じメンバーであるロリエさんやメリスさん、ジャードさんもいる。

 分かる。絶対に普通の世間話じゃない。


「まず、この部屋に招いたのはここにいる者以外に聞かれてしまいたくない話をするためだと言うことを心得てもらいたい」

「はい」

「では、伝えさせてもらうぞ」

「「「……」」」


 数秒の沈黙を破るように陛下は言葉を発した。


「単刀直入に言おう。リュウト・ドルキオス。お主には勇者パーティに参加していただきたいと思う」

「……え?」


 晴天の霹靂とはこのことだ。

 勇者パーティに入って欲しいと陛下にお願いされる。

 それって、シャーロットさんたちと冒険の旅に出ろって意味だよな?


「驚くのも無理はないよね。陛下。このような話になった経緯を私たちから説明してもよろしいでしょうか?」

「構わん」

「ありがとうございます」


 陛下に話す許可をもらったシャーロットさんが口を開く。


「実を言うと、遠征から帰って来て今日までの間に陛下を交えて皆と話したんだ。成果はもちろん、現在の戦況も含めてな……」


 シャーロットさんはこう説明してくれた。

 勇者パーティは現在、魔王軍の幹部であったギルダスを含め四人を既に討伐したこと。

 幹部の中でも上位の強さだったであろうギルダスが倒されたことによって、魔王軍はより重く受け止めて警戒心を高めている可能性が高いこと。

 魔王軍が支配する魔族領は少しずつ、確実に広がりつつあること。

 可能な限りまで把握していることを俺に伝えてくれた。


「神武具の一つである聖弓セレスティアロを手に入れるのもそうだけど、戦力の補填もあるんだ」

「戦力の補填に自分が?」

「私たちには少し前まで、ジョブがレンジャーのクラークって言う同じメンバーがいたのよ。だけど、私たちが初めてギルダスとやり合った時、退けたものの、クラークは再起不能になるほどの重体を負ってしまったのよ」

「そうだったんですね」


 そう言えば、ギルダスもその名前を口にしていたっけな。


「だから早急にもう一人、魔王軍を相手にしても力になれるような人物を探していたんだけど、そこで白羽の矢が立ったのがリュウト。あなたなのよ」

「自分がですか?」


 そう言い切るシャーロットさん。


「リュウトについては先日の遠征前から陛下やシュナイゼル団長から聞いていたんだ。何ヶ月か前までは冒険者をやっていて、エレミーテ王国騎士団遊軍調査部隊に転職してきたんだってな?」

「は、はい……」

「転職してきた早い段階で大活躍をしてみせただけでなく、あのギルダスを相手に善戦して勝利にも貢献するほどの実力とセンスを見せてくれた。勇者パーティの一員を名乗ってもおかしくないって思わせるには充分よ」

「は、はぁ……」


 ジャードさんとロリエさんが続けてそう言ってくれた。


「何よりも決め手となったのが、あの神殿で選ばれた者にしか抜けないとされている神武具の一つである聖弓セレスティアロをリュウトさんが手にしたことなのですよ。それは、その資格を持っていることの証明なのです」

「……」


 メリスさんがそう言い切る。


「ですけど、自分は勇者や聖女の家計で育ったわけでもなければ、これと言って特殊な環境で生きていたつもりは全くありません。生まれも育ちも普通の町ですよ」


 俺は自分の出自について語った。

 記憶を掘り起こしても、俺が育った町は王都のような大きくて華やかでなければ、何かしらの有名な場所でもない、どこにでもあるような田舎町だ。

 そもそも、俺の故郷はもう存在しないんだぞ。

 両親だって、勇者でもなければ、英雄のような肩書きを持った人物ですらない。

 正直に言って、あの時にセレスティアロを手にした時だって、今でも夢のように思っているくらいなんだから。


「ふむ……」

「陛下?」


 自分自身の生まれや育ちについて話していると、陛下が頷いた。


「リュウトよ。今から話すことはここにいる者たちだけの秘密とするが、本当に信頼できる者以外には他言無用で頼むぞ。今後についても、何よりもリュウト本人にとって重要なことであるのだからな」

「は、はい」


 そう言う陛下の表情は真剣そのものであり、俺の背筋も自然と伸びる。

 一呼吸をした陛下が口を開いた。


「そなたがエレミーテ王国騎士団遊軍調査部隊に配属された当初は名前も知らなかった。だが、私は初めてリュウトの名前を……。ドルキオスと言う名前を聞いた時から気になっておったのだ。それからは秘密裏にそなたのことを調べさせてもらった。最初はまさかと思った。杞憂に終わるかと思うのと同時に真実であって欲しいとも思った。だが、神武具のセレスティアロをそなたが手に取ったと聞かされた時、疑念は確信へと変わった」


 鋭い眼差しをする陛下を見て、思わず息と唾を飲み込む。

 そして、告げられたのは……。


「リュウト・ドルキオス。……そなたは勇者の血筋を受け継いでいるのだ」

「……え?」


 これまた晴天の霹靂だ。


 今日だけで何度驚けば済むんだって話になってきた。

最後までお読みいただきありがとうございます。


評価はページの下にある【☆☆☆☆☆】をタップして頂ければ幸いです。


『面白かった』『続きが読みたい』と思っていただけましたら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、コメントやレビューを頂ければ幸いです。


面白いエピソードを投稿できるように頑張っていきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ