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ブラックな冒険者パーティを脱退した俺は自由気ままに誰かの役に立ちます~このレンジャー、いろんな意味で凄かった件~  作者: カワチャン
第一章

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第6話 騎士団について

騎士団にもいろんな役割があるんです!

「まあ、騎士団の内部はそんなところだけど、大丈夫?分かんないところない?」

「はい。しっかり教えてくれたお陰で大体は分かりました」

「そう。だったら、不意打ちみたいに質問されても答える自信があるってことで考えてもいいかしら?」

「まあ、答えられる限りのことは答えます」

「言葉を濁されているような気もするけど、少しずつ覚えていけばいいよ」


 エレミーテ王国騎士団遊軍調査部隊の一員となった俺は配属された第六班の副班長と俺の教育係を務めているシーナさんから騎士団内部の案内をしてもらっている。

 エレミーテ王国騎士団の主な役目としては国の防衛や治安維持であり、王侯貴族の護衛も担っている。

 戦闘やそれを生業として役割を果たす騎士団本隊を筆頭に様々な部署がある。

国王陛下を始めとする王族を守護するエリート部隊で知られる親衛隊。

 遠征や出張の際には物資の配給や人員の展開、施設の構築や衛生管理などの後方支援を主とする補給部隊。

 戦闘において必要な武器や防具、消耗品の整備や管理を担う武具管理部。

 冒険者ギルドや商人ギルドを始めとするギルドの折衝や窓口を担うギルド渉外部。

 俺はシーナさんたちから仕事を教わって既に一週間が経った。


「騎士団と言っても、いろんな役割を担う部署があるんですね」

「そうね。あたしも初めてここに来た時は驚いちゃったよ。けど、ジャンル別で専門の役割をそれぞれの部署が担うことで自分の仕事に専念できるってモノよね」

「間違いありません」

「それよりもリュウト。入隊時に支給されたその剣と強化革鎧、似合ってるじゃん」

「ありがとうございます!」


 俺の左腰に挿されているのは細めの片手剣であり、隊服の上には身体の心臓部を中心に覆う強化革鎧が付けられている。

 入隊初日に支給された物であり、その一部にはエレミーテ王国の国章が刻まれている。

 これを見ていると、改めて自分がエレミーテ王国騎士団に所属したんだと再認識させてくれる。


「さて、そろそろ正午になるからお昼にしない?」

「はい」


 俺はシーナさんに誘われるがまま付いていった。


◇—————


 俺は騎士団の食堂に来た。


「改めて来ると凄いですね」

「でしょ?」

「少し慣れてきましたけど……」


 最初はどこにでもある一般的な飲食店みたいなのをイメージしていたが、実際は白を基調にしたシンプルながらも清潔でかなり広い空間だった。

 まるでオシャレなカフェテラスのように並べられた多くの横長のテーブルに五人は座れる長い椅子。

 各テーブルには騎士や各部隊の隊員、職員が食事を楽しみながら談笑している。

 俺も初めて見た時は腰を抜かしかけたからね。


「あたしも入隊当初はビックリしたもんよ。てっきり武骨なインテリアだろうって思ったらこんなんだもの。さあ、料理を取りに行くわよ」

「はい!」


 俺はシーナさんと一緒に料理を配膳してくれる受け取り口に行った。


「お!これ好きなのよ!」

「美味そう」


 お盆の上には鶏肉の香草焼きであり、他には彩り豊かなサラダと魚介のスープ、パン数個が乗せられている。

 栄養バランスをよく考えられた献立であり、香草焼きの豊潤な匂いが食欲をそそらせる。

 メニューは日替わり制であり、量も丁度良く料金も無料だ。

 別料金でお替りや果物などのサイドメニューも頼める内容になっている。

 料理を受け取り、俺とシーナさんは空いた席に座って食事を始める。


「う、美味い!美味いです!」

「そう。お口に合ったなら何よりだわ!」

「こんなに美味しい料理を食べられるなんて思いもしませんでしたよ!」


 絶品だった。

 肉は焼き加減が絶妙でジューシーな味わいであり、サラダも瑞々しく、スープは薄味に見えて魚介類特有の旨味が口に広がり、パンもふっくらしていて美味しかった。


「冒険者時代でも、こういったメニューを休日にゆっくりする時くらいしか食べる機会がありませんでしたからね」

「分かる!遠出する時ってここまでバランスの良い食事にありつける機会が無い時も珍しくないからね!」

「野営する時はこれよりもずっと簡素な食事が続くパターンも珍しくなかったですね。乾パンに干し肉とかが続いたこともありましたから」

「冒険者あるあるね!」


 やはりと言うべきか、冒険者を経験したことのあるシーナさんとは話がよく合った。

 冒険者談議に洒落込みかけた時だった。


「あら?シーナさん!」

「ッ!?」

「お!ネイラ!」


 一人の女性がシーナさんに声を掛けてきた。


「シーナさん、その方は?」

「紹介するわ。彼が今日付けで遊軍調査部隊の一員となった後、あたしと同じ第六班に所属する事になったリュウトよ!」

「初めまして。リュウト・ドルキオスと申します」

「ギルド渉外部に所属しているネイラです。よろしくお願いしますね、リュウトさん」


 礼儀正しく挨拶してくれたのはギルド渉外部に所属しているネイラさんだ。

 紺色のショートヘアに眼鏡をかけている知的な雰囲気を感じさせる顔立ちや愛想の良い女性だ。

 戦闘を主としていない部署なのでグレーを基調にした制服に身を包んでおり、パリッと着こなす姿が良く似合う。

 ネイラさんも昼休憩に入ったばかりなのもあり、一緒のテーブルで食事をすることになった。


「俺が遊軍調査部隊の採用試験を受ける際の仲介役がネイラさんだったんですね」

「そうですよ」


 俺が冒険者時代にエレミーテ王国騎士団遊軍調査部隊の仕事を紹介された際、ネイラさんも関わっていたことが判明した。


「私の場合はどちらかと言えば、冒険者ギルドとの折衝を担うことの方が多いんですよ。一支部はもちろん、冒険者ギルド本部を相手にすることもありますよ」

「そうなんですね」

「それにしても、シーナさんも良かったですね!冒険者を経験したことがある方の先輩にして教育係になるなんて」

「本当にそれ!」

「俺やシーナさん以外で冒険者から遊軍調査部隊に転職された方はいるのでしょうか?」

「大半とまではいかないけど、それなりにいる。本隊や親衛隊と比べれば、ウチの部隊は比較的自由な雰囲気だからね。それに、冒険者時代の知識や経験も活きやすいのよ」


 それは良い情報を聞いた。

 機会があったら冒険者の経験がある隊員とも交流できればいいな。

 続いてもう一つの質問をしてみた。


「逆に冒険者から騎士団の本隊に転職された方はいらっしゃるのでしょうか?」

「結論から言えば、ほぼいないですね。本隊へ入隊するには受かる試験の内容が遊軍調査部隊と比較しても相当難しく、教養の高さも必須になりますからね。自由にやってきた冒険者にいきなりそれを求めるのも厳しいと思いますから……」

「確かに……」


 ネイラさんの話を聞いて納得できた。

 前々から知っている話ではあるが、冒険者は自由やロマンを追い求めるのに対し、騎士は規律や秩序を重んじている。

 冒険者は依頼に失敗したとしても、ランクが下がるリスクやそれに直面した時はそれを受け入れることができれば、やり直すもしないも、後は自由にすればいい。

 最高のSランクになった冒険者は英雄の称号を賜るパターンもあれば、為政者になるパターンもあり、腕に覚えがあればどこまでも成り上がれる。

 しかし、騎士は冒険者と違って国や王侯貴族に危険が迫ったとしたら、逃げることも隠れることも許されず、守るべきモノのために日々の鍛錬に励んでは実力を磨き、規律や秩序に則って職務を全うしていかなければならない。

 王族とも近い距離にいることも多く、一定の教養や礼儀作法を身に付ける必要があるため、奔放なやり方が常識のようになっている冒険者にお堅い振る舞いを求めるのも酷な話である。

 幸いなことに騎士団の本隊と遊軍調査部隊の仲は悪くないものの、反りが合わないところもあると聞かされた。


「お!もうこんな時間か。ネイラ!悪いけど行くね」

「うん。リュウトさん、頑張って下さいね」

「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします」


 話し込んでいると昼休憩の終わりが迫ってきており、ネイラさんに「失礼します」と挨拶だけ済ませ、シーナさんと共に食堂を去った。


「リュウト・ドルキオスさんか……。面白いことになりそうね」


 そう言いながらネイラさんは好奇心が入り混じったような眼差しをしながら俺の姿を見つめていた。

 俺とシーナさんは隊舎へと戻って来た。


◇—————


「おはようございます!」

「「おはよう」」

「「おはようございます!」」


 翌日に出勤するとゾルダーさんやシーナさん、アンリやトロンら第六班が全員揃っている。

 それからゾルダーさんが班を仕切り始める。


「それじゃあ、昨日にも話した通り、マッドオーガが出現したと言われた王都の離れにある森林の調査を行う。出発は今から15分後。各自、準備をしておくように!」

「「「「「ハイ!」」」」」


 よっしゃ~。やってやるぜ!

いかがでしたでしょうか?


少しでも「気になる!」「面白い!」「続きが待ち遠しい」と思われましたら下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると幸いです!


面白いエピソードをご提供できるように努める所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします!


P.S

明日から一話ずつ投稿していきます。

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