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ブラックな冒険者パーティを脱退した俺は自由気ままに誰かの役に立ちます~このレンジャー、いろんな意味で凄かった件~  作者: カワチャン
第一章

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第23話 調査開始!

 エレミーテ王国騎士団と冒険者パーティとの合同調査プロジェクト。本番。


「隊長!こちら、準備が整いました!」

「冒険者勢も全員、揃っております!」

「よし。お前たちも配置に着け!」

「「「「「ハイ!」」」」」


 俺は王都から少し離れた場所にある森林の中にある遺跡のような場所、ひいては今回のプロジェクトで調査するダンジョンの前にいる。

 そこにいるのはエレミーテ王国騎士団遊軍調査部隊のトップであるモーゼル隊長を筆頭とする、今回のプロジェクトにおける選抜メンバーの面々と参加を決めた冒険者パーティ数組だ。


「いよいよ本番ね」

「はい」

「おい、来たぞ」

「聖女様だ!」

「いつ見てもお美しい!」

「おっ、来たよ。今回のプロジェクトにおける要がさ」

「あの方が……」


 俺がシーナさんと話し込んでいると、冒険者パーティ数組が騒ぎ出している。


「お待たせいたしました。セアラ・フォルティーネ。ただいま参りました」


 現れたのはエレミーテ王国において代々伝わる聖女の家計の長女にして、侯爵の爵位を叙されたフォルティーネ家のご令嬢である、セアラ・フォルティーネ様だ。

 聖女であるセアラ様は俺たちに前もって共有されている魔族やそれに類する事態に対処や対抗するためのキーパーソンであり、調査と同時に護衛も兼ねている。

 調査を含めて大変な仕事になるのは確かだが、臨むところだ。

 そう思っていると、セアラ様が俺の前を横切ろうとした。


「……」

「ん?」


 気のせいかな?一秒ほど、セアラ様が俺に目をやるような仕草を見せた。

 咄嗟に顔に手をやり、シーナさんに「何か付いてます?」って確認しても、「いや、全然」とだけ返された。

 それから気持ちを切り替えて、出発前の号令が始まった。


「これより、遺跡のダンジョン調査を開始する!ミーティングでも共有したが、魔族が潜んでいる可能性がある。そのために今回のプロジェクトにエレミーテ王国が抱える聖女セアラ様もご同行されることになった。調査だけでなく、セアラ様の安全確保も重要事項とし、可能な限り究明することを目的とする。参加を表明してくれた冒険者の皆々様を含め、各自、任された役割を遂行するように!」

「「「「「ハッ!」」」」」

「これより、行軍を開始する!」


 モーゼル隊長の一声で俺たちはその場で敬礼する。

 普段は明朗快活なイメージが強いモーゼル隊長だけど、決めるところは決める人だ。

 そんな人が一部隊のトップならば、率いられる隊員たちの気も引き締まる。

 士気が高まる空気の中、俺も気持ちを新たにするのだった。


◇———


「こうして入ってみると、いかんせん不気味ですね」

「そうね。遺跡ってもっと神秘さを感じさせる場所だと思っていただけにね」

「魔族特有の瘴気はまだ感じられないな。やはりもっと奥の方に手掛かりがあるようだ」


 入って数十分、剣呑な雰囲気の中で俺たちは遺跡の中を進んでいく。

 まずは遊軍調査部隊の選抜メンバーの一人にして、第六班の班長と副班長であるゾルダーさんやシーナさん、俺が先行警戒をする形で進もうとする安全ルートの確保や魔物がいるかどうかを確認する。

 魔物との戦闘が避けられない場合はセアラ様に被害が及ばないことを前提にしながら立ち回っていく。


「シュッ!」

「ガァアア!」

「おぉおお!」


 前線で魔物を蹴散らしているのは参加している冒険者パーティ勢の中で唯一のSランクパーティ『夜天の宝剣』のリーダー格にして剣士であるアルベルト・ウィルソンさんだ。

 『夜天の宝剣』はエレミーテ王国だけでなく、他国にもその名を轟かせているほどに有名なパーティであり、それだけに今回のプロジェクトに参加するって知った時には寝耳に水のような、良い意味でのショックを覚えた。

 リーダー格のアルベルトさんだけではなく、魔術師のネリエラさん、戦士のラギオンさん、僧侶のメリノールさん、シーフのコラゾさん、いずれもSランクに相応しい実力と名声を備えた錚々たる顔ぶれに内心ワクワクだ。

 現役の冒険者パーティだけでなく、かつては冒険者を経験してきた隊員も同様に、襲って来る魔物を次々と倒している。


(ガルドスたちも対処できているけど……)


 一方、ガルドス率いる『戦鬼の大剣』は他のパーティと比べれば、ちょっと危うい場面がいくつか目立った。

 フォーメーション自体は基本に則ってはいたものの、ガルドスが必要以上に動き回り過ぎるって言うか、シェリーを守るのに必死になり過ぎているって言うか、パーティもとい、皆の迷惑に繋がりかねない立ち回りが目立っているようにも感じた。

 前にリリナからパーティ事情が変わっているとは聞いていたけど、こんな風に影響しているんだって分かると、一種の滑稽さと、一種の気の毒さを覚えかけようとしている。

 そんなことが続いていて数時間が経った。


「ここですね」

「ええ。前準備の打ち合わせでも聞いていたけど、こうして二手に分かれたような道になるとね……」


 進むこと数時間、俺たちは二手の分かれ道を目の当たりにしている。


「前もって伝えられてはいたけど、いざ目の当たりにするとね……」

「はい。不気味と言いますか、おぞましい何かを感じます」


 二手に分かれると言うことは戦力が半分に分散せざるを得なくなり、魔族が絡んでいるとすれば、リスクが大きい。

 一本の道を調べ終えて戻って来てからまた別の道に取り掛かるのは非効率的だ。

 そんな方法を取れば、俺たちはともかく、護衛対象であるセアラ様の身体がもたなくなる可能性もあり得る。

 しかし、魔族が現れたならば、対抗手段の意味で一番強いのはセアラ様だ。

 俺たちもその援護に参加するための備えは万全だ。


「では、モーゼル氏。セアラ様には瘴気が濃い方に行かせる形になると思われますが?」

「そうだな。だから、その選別はするべきだと思っている」


 後ろではモーゼル隊長とアルベルトさんが話し込んでいた。

 それから少しした後だった。


「リュウト!指示した通路から漏れ出ている魔族特有やそれに類する魔力の濃度や細かな情報まで教えてくれ!これからの調査で万全を期すためにも!」

「はい!モーゼル隊長!」


 モーゼル隊長の指示や進言の下、俺は分かれ道の中心地に立った。

 そこから俺は目を開き、集中力を高めていく。

 <五感操作(センス・コントロール)>で視覚と聴覚を鋭敏にさせると同時に<魔力確認(マナチェック)>と言うスキルを発動させ、空気中に漂う魔力を可視化できるようにした。

 念には念をの意味で<鑑定>も発動させた。


「どちらも強い魔物の気配がしますね。ただ、右の道の方が魔族特有の瘴気が濃いと感じますね。左の道は濃度こそ薄いですが、リスクレベル不確定のアンデッドが多数いると思われるので、聖水を多めに用意した方が良いかと……」

「そうか。じゃあ、チーム分けは……」


 こうして、俺たちは分かれ道を進んでいくことになった。

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