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レベッカ一行の世界漫遊の旅 3 (ノマード王国の旅 7)

ザザーン…


大海原を進むヴァルディオ王家の所有する舟『レディ・クイーン』号の甲板に私とミラージュは立っていた。


「レベッカ様、何て大きな船なのでしょうね?グランダ王国に嫁いだ時に乗った船の何倍の大きさがあるんでしょう?」


ミラージュが大きな船を見渡しながら言う。


「そうねえ…10倍以上はあるかもしれないわね~」


チラリと背後を見れば、この船の船員たちが恐る恐るレティオとロミオの毛づくろいやら餌やり等の世話を焼いている。


「ですが、大きい船は流石に揺れが少なくて良いです。この分だと西の大陸に着くまでの間、船酔いしなくて済みそうです」


乗り物に割と酔いやすいミラージュがホッとした様子で言う。


「ええ。そうね。ところでサミュエル皇子はまだ船長と話し合いをしているのかしら?」


「その様ですわ。サミュエル皇子は乞食扱いされたことが余程腹に据えかねたようですから」


「まあ、確かにそうかもね~仮にもサミュエル皇子は大国『ガーナード王国』の第三皇子なんだから」


甲板の手摺に寄りかかり、青空を見上げながら私は言った。



 あの後、ロミオとレティオに恐れをなした船長はサミュエル皇子の『我々を乗せて西の大陸へ連れて行け』という命令にあっさり従ったのだ。それにしてもたかが船長ごときが独断で勝手に船を動かして良いのかと思っていたのだが、どのみちこの船は一時的に『ラメール』の港に寄港していただけで、西の大陸に向かう予定の船だったらしく、特に問題は無かったようだ。


「それにしても本当に運が良かったですわ。こんな大きな船に乗れただけでなく、半日もあればついてしまうのですから」


「まあ、これだけ大きな蒸気船なら海を進むのも早いのかもね~」


青い空にはカモメが飛び交い、広い海原は太陽の光を反射してキラキラと光り輝いている。この船は西の大陸に着くまで、一切の天候の崩れに遭わないように天に祈りを捧げて置いたので問題なく到着出来るだろう。


その時―


「やあ、2人共。ここにいたのかい?」


サミュエル皇子がニコニコしながら私達の元へやって来た。


「はい、外の方が気持ちがいいですからね」


「船酔い防止になりますし」


「ところでサミュエル皇子、一体船長とどんな話をしてきたのですか?」


私は尋ねた。


「ああ。彼には少し脅しをかけておいたよ。何せ俺達をロープでグルグル巻きにしたんだから。今度こういう真似をしたらまたレティオとロミオをけしかけるぞって。それに無礼な振る舞いをした事をヴァルディオ王家にばらされたくなければ、この船で俺達を客人扱いするように伝えておいたよ」


「だけど船長はサミュエル皇子の事を『ガーナード王国』の第三皇子だと信じて下さいましたの?」


ミラージュが尋ねる。うん、私もそれを思っていたんだよね。


「ああ、信じてくれたよ。何しろ俺の身分を証明するものがあるからね」


サミュエル皇子が言う。


「え?それはどんなものですか?」


するとサミュエル皇子は腰に差した剣を見せてくれた。


「ほら、ここの『ガード』と『ポンメル』を見てごらん?ここに紋章が刻まれているだろう?」


サミュエル皇子が見せてれた紋章には巨大な犬のような絵が刻まれている。


「このオオカミはね『ガーナード』王国の家紋なのさ」


「へ~。それで信じてくれたのですね?」


「ああ、そうさ。しかし、やはり船長を任されていることはあるな。この紋章をちらつかせただけで青くなって頭を下げてきたのだから。でも、まさか乞食に間違われるとは思わなかった…」


サミュエル皇子はブツブツ言っている。確かに言われてみれば私達は随分みすぼらしい姿をしている。ここは…。するとミラージュが言った。


「私は余り身なりは気にしないのですけどね?何せドラゴンの姿になってしまえば身なりは関係ありませんから。ですが服装で判断されてしまうのであれば、私達は身だしなみを整える必要があるかもしれません。とりあえず西の大陸に着いたら衣類を買いに行きましょう!」


ミラージュの提案に私達は頷いた―。




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