レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに…再会?! 14 )
船はどんどん『ハルシオン』へ向けて近づいていく。
「ああ、ついに…ついに夢にまで見たお母様に会えるのね…」
私は両手を組み、島に祈りを捧げた。
「私も楽しみです。何しろ神様のような力を持ったレベッカ様のお母様…本物の神様にお会いできるのですから」
ナージャさんもウキウキした様子で島を見つめていた。
しかし…。
ゾクリ!
あと少しで島に到達…と言うところで突然恐ろしい程の寒気を感じた。
「な、な、何…?今の…。あの、見るからに緑の自然に溢れたあの島から禍々しい気配を感じたのは…な、何故なのーっ!」
私は思わず両頬を抑えて叫んでいた。
しかし、異変を感じたのは私だけでは無かった。なんとナージャさんの透明のはずの水晶が灰色に染まっている。
「ナ、ナージャさん…こ、これは…」
私は震えながら尋ねた。
「ええ。曇っています。曇りきっていますっ!!」
「ど、どうして曇っているのかしら?!」
「それは…男色家船長のせいですね?」
ジロリとナージャさんは船長を睨みつけた。
「は?」
ナージャさんの答えがあまりにも私の予想斜め上をいってるので、思わず間の抜けた声をあげてしまった。
「え?えええっ?!お、俺かっ?!」
自分を指さして驚く船長。
おおっ!
男色家船長と呼ばれても否定しない所を見ると、やはり船長は男色家で間違いないのだろう。
「ええそうです!大体ですよ?占いに使われるこの水晶はとーってもデリケートなんです。占いは心が澄んだ状態でなければ占えないというのに…全くこれだから素人は…」
髪をかき上げながらため息をつくナージャさん。
う~ん…でも私から言わせると彼女自身も色々と心に腹黒い物を持っている気がするけれども…ここは黙っていることにしよう。
「そ、それじゃ…この水晶が灰色に濁っているのは…?」
「はい。言わずともこの船の船員たちが毎日毎日吸いまくってる煙草のせいですね。おかげでこんなに煙ってしまいました」
ズイッと私の前に水晶球を差し出すナージャさん。
「そ、そうなんですか…」
う~ん…本当にそうなのだろうか…?
私にはどうにも先ほど感じた嫌な気配といい、水晶が灰色に濁った現象と言い…この2つは共通しているように思えるのだけども…。
「わ、分かったよ…これからはなるべく煙草を控えるよ…」
「ええ、是非そうしてください」
「よし、それじゃ…そろそろ着岸するぞっ!野郎ども!準備にかかれっ!」
『おうっ!』
船員たちが一斉に返事をし…甲板の上ではぶっ倒れている愉快な仲間たちをしり目にてんやわんやの大忙しとなった―。




