レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに…再会?! 8 )
「いいですか?必ず私の質問には正直に答えて下さいね?」
「ええ、いいですよ。辻馬車営業所『ニコニコ馬車』はぼったくりなし、誠心誠意をモットーに運営していますから。質問には正直にお答えしますよ?」
私の目をまっすぐに見詰める眼鏡オーナー。
言わずとも目を見て返答してくれたので、暗示をかける手間がはぶけた。きっとこの人物はすぐに私の手の平で転がることになるだろう。
「では、もし仮に嘘をつけば少々痛い目に遭っても平気なのですね?」
「な、何ですか…?その痛い目と言うのは…」
「あら?何でしょう?たった今質問には正直にお答えしますと言いましたよね?要は嘘さえつかなければ痛い目に遭うことは無いのですから、別にそこの部分を尋ねる必要はありませんよね?」
「はい…そ、その通りですね…。では質問をお受けしましょう」
眼鏡オーナーは腹を決めたのか、頷いた。
「はい。では再度質問させて頂きます。私たちが3日前に預けた2頭の馬を返して頂けますか?とっても賢い馬で2頭とも栗毛色の毛並みがとっても美しい馬なんですけど?」
「ですから、先ほども申し上げた通りあなた方から馬など預かっていませんよーっ?!」
突如、奇妙な大声で語尾を伸ばす眼鏡オーナー。
「「「ぷっ!」」」」
眼鏡オーナーの雄たけび?が余程面白かったのか、背後で笑いをこらえる仲間たち。
恐らく語尾が伸びてしまったのは、身体に痛みが走ったからだろう。
何しろ私は彼が嘘をつくたびに身体の一部に小さな雷が落ちたような痛みが起こるように暗示をかけたのだから。
「な、な、何だ?今の衝撃は?」
眼鏡オーナーは奇声を上げてしまった恥ずかしさからか、それとも痛みの衝撃か、顔を真っ赤にさせながら自分の右腕をじっと見た。
「オーナーさん。どうかしましたか?」
背後で仲間たちの笑いを抑える声を聞きながら、再度私は尋ねた。
「で、ですから馬など預かっていませんってばーっ!!」
再び雄たけびを上げるオーナー。
恐らくまたしても身体に痛みが走ったのだろう。
「フハハハハッ!!も、もう我慢できないっ!」
サミュエル王子が笑い出した。
「アハハハハッ!く、苦しいっ!お腹がよじれるっ!」
ミラージュがお腹を抱えて笑っている。
「ヒーッヒッヒッヒッ!死ぬっ!笑い死にしそうっ!!」
ナージャさんは不気味なひき笑いをして涙を浮かべている。
「さぁ?どうします?まだ正直に言わないつもりですか?このまま又わけの分からない痛みに翻弄されて、周囲の笑いものになりますか?」
「わ、わ、分かった!正直に話すから…勘弁してくれーっ!」
こうして辻馬車営業所『ニコニコ馬車』では、暫くの間にぎやかな笑い声が絶えることは無かった―




