再び・滅亡したオーランド王国の国王と王女たちの物語 4
翌日―
我々家族4人はこの『アトランタ』で最も大きい神殿へと向った。どうやらその神殿の上空にはドラゴンが住む国が浮かんでいるらしいのだが…真実は定かではない。
何しろ誰もここからドラゴンの国へ行ったことなどないからだ。
なのに…。
「な、何なんだ?!この黒山の人だかりはっ!」
神殿へ向かう1本の長い道をまるでアリの行列の如く、ゾロゾロと歩く人の群れ。
「もう〜何なのよ?この人だかりは!どうして仕事が休みの日にわざわざ疲れる事をしなくちゃならないのよっ!」
エミリーが人目も憚らず、大きな声で喚いている。
「これ、よさないか。エミリー。人混みでそのような大きな声を上げるとみっともないぞ?」
「だけど文句だって言いたくなるわよ。こちらは来たくてあの神殿にむかってるわけじゃないんだから」
今度はエリザベスが文句を言う。
「あなた達、もうここまで来てしまったのだから観念しなさい。ほら、後ろを見てご覧なさい。行列ができているでしょう?前にも行列、後ろにも行列。つまり…私達はもう引き返せないところまで足を踏み込んでいるのよ?!」
ジョセフィーヌは妙に説得力のあるセリフを言う。
「良く言うわよ!お姉様はなんとしてもレベッカを見つけ出して監禁したいだけでしょう?!」
「そうよ!私達まで巻き込まないでよっ!
エリザベスとエミリーが口々に文句を言いだした。
「何ですってっ?!姉に対してその言い草は何っ?!」
ジョセフィーヌも負けじと言い返す。
こうして、今娘たちは私を置き去りにして3人で文句を言いながら神殿を目指してあるき続けた―。
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「ふ〜…やっと辿り着いたな」
途中、人が多すぎて行列の流れがストップしてしまうというトラブルに見舞われつつも、我々は無事に神殿に辿り着くことが出来た。
「しかし、ここも黒山の人だかりね…一体何があったのかしら?」
エリザベスがぼやくと、我々の直ぐそばにいた中年女が話しかけてきた。
「おや?あんた達知らないのかい?実はねぇ…何と半月ほど前にこの神殿からドラゴンの国へ旅立っていった人達がいたんだよ!」
「「「「何ですって(何だと)っ!!」」」」
我々4人の声が同じにハモる。
「ああ、そうなんだよ。目撃情報によると、最初にこの神殿から上空に飛んでいったのは黒髪美女だったらしい。それでその次は金髪美少女にエキゾチックな女が吸い込まれていき、連れの男だけは取り残されたらしいぞ?」
「黒髪美女に金髪美少女…?間違いないっ!きっとその2人はミラージュとレベッカに違いないっ!」
何という偶然、そして我ながら何と勘が鋭いのだ!
「レベッカッ!今父さんが会いにいくからなーっ!!」
私は心の底から雄叫びをあげた―!




