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レベッカを探せ 4 〜キング一家の旅 13 <完>

「はぁ〜…全く…『マーメイドの館』というくらいだから人魚のような美女が経営している宿屋だと思っておったのに…」


「とんだ期待外れだったよね」


変態親父とクズ兄貴は安い地酒につまみのフィッシュアンドチップスを口にしながらため息をついた。


「フン!全くお前らは…あれほどレベッカに入れ込んでいたくせに…今迄道中、何人の女たちに手を出してきた?親父は?兄貴はどうなんだ!」


ジョッキで2人を交互に差した。


「そうだのう…私は4人か?」


「僕は5人だね」


2人は指を折りながら答えた。


「最っ低だなっ!レベッカを探す旅をしてい最中に他の女に手を出すとは…その点、俺を見ろっ!国を出て以来女には目もくれず、レベッカに恥じないように身体を鍛え…どうだっ?!この鍛え上げられた上腕二頭筋を!この6つに割れた胸板を!」


俺は着ていたシャツをまくりあげ、2人の前で自分の筋肉をお披露目した。


「ゴホッ!お、お前…なんてものを見せるのだっ!」


「わっ!汚ったねぇ!何吹き出してんだよ!」


俺の筋肉を見たロリコン親父が地酒を口から吹き出した。


「あ〜いやだねぇ…そんな筋肉ムキムキの身体を見せて…気持ち悪いから早くしまってよ」


クソ兄貴が手でシッシッと追い払う素振りを見せる。


「あぁぁあんっ?!何だってっ?!俺の筋肉の何処が気持ち悪いんだよっ!」


自分の厚い胸板をバシバシ叩いた。


「僕はレベッカはそんなマッチョ男は嫌いだと思うけどな」


ウスノロ兄貴は再び地酒を口にした。


「何っ?!レベッカは…マッチョ男は好きじゃないのかっ?!」


するとそこへこの店のビヤ樽女…もとい、女将が魚料理を運んで来ると声をを掛けてきた。


「おや、偶然珍しいこともあるんですね〜」


女将はドンドンッと料理をテーブルに乗せながら俺たちを見渡した。


「何のことだ?」


首を傾げて女将に尋ねた。


「いえね、以前この宿屋に2人の若い女性と若い男性の3人組がここに宿泊したんですよ。そのうちの1人が『レベッカ』と呼ばれていたんですよね。お客さん達が今口にしていた名前と同じだったものですから。やはり旅を続けておりましたしね〜」



「「「何だってっ?!」」」


俺たちは3人同時に声を上げた。


「おい!女将!そのレベッカと呼ばれていた女は…ブロンド美少女では無かったか?!」


興奮を押さえきれずに女将に尋ねた。


「ええ、そりゃもう大層な美少女でしたよ。まるで若い頃の私を見ているようでしたね」


「そんな話はどうでもいい!それじゃ、もう1人の女性は黒髪に名前はミラージュでは無かったかい?!」


今度はクズ兄貴が尋ねた。


「そうでしたね…名前は…ミラ…何とかだったような…?」


首をひねる女将を見ながら俺は歓喜で震えた。

ここまでやってきたものの、本当にレベッカの後を追えているのか正直ずっと不安だった。

もはやここで俺の旅は終わりになってしまうのではないかと思っていたが…俺は彼女の足取りをちゃんと追っていたのだ!


「女将っ!彼女は…何処へ向かうと言っていたか聞いていないかっ?!」


俺は大声で女将に尋ねた。


「フフフ…あんた達、中々骨がありそうだから教えてあげるよ。実は私は人魚だったんだけどね…」


「「「嘘だろうっ?!」」」


俺たち3人はその話に仰天した。すると女将は気を悪くしたのかむくれた様子で腕組した。


「何だい?あんた達…私の話を信じないって言うなら、もう話は終わりだよ」


「ああっ!す、すまんっ!うん、やはりそうだと思っていた。女将を初めてみた時から実は目を奪われていくらいだからな!流石は元、人魚だっ!」


俺は口からベラベラと嘘を並べ立てた。レベッカの足取りを追うことが出来るなら、いくらでも嘘を吐き続けてやる。


「あ?そうかい?私が人魚だって信じてくれるのかい?」


「「「勿論だっ!!!」」」


俺たち3人は声を揃えて頷く。


「それなら教えてあげようかね〜。その旅の一行に私が人魚だと伝えたら、旅の目的を教えてくれたよ。母親とドラゴンを探す旅に出ていると話していたね〜。まず最初はドラゴンの国へ行くと言っていたよ」



「「「ドラゴンの国だってっ?!」」」


ついに…俺はレベッカの旅の目的地を知ることが出来たのだ!


待ってろよ、レベッカ。


今…俺がお前を迎えに行ってやるからなーっ!!




<完>

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