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二十五話目 *屍王

「誰もお前の命令を聞く奴なんていないぜ」



 (とおる)は王を煽る。



「ふふふ。どこを見ている」



 王が笑うと、外行達の足元から突如して出現し足を掴む。



「うわッ」


「キャッ」



 続々と、地面から屍達が姿を現す。



「ゾンビ」


「どんなスキルだよ」


「とりあえず、片っ端からやるしかないだろ」


「王は僕が相手をするよ」


「少年。俺も手伝おう。役に立てる」



 真は外行に提案した。



「わかった」


 

 真と外行が王のもとに行こうとすると屍達が壁となる。



「俺が道を作ろう。氷橋(アイスブリッジ)



 先輩転移者パーティの一人、雹がそう言うと手から冷気を放ち氷の橋を作り出す。



「ありがとう」



 真と外行はその橋を登り一気に王の元まで向かう。



「ちゃんと引き付けとかないとね。誘引雨矢(インデュースシャワー)



 (まな)は魔法で創られた弓で天に矢を放つ。矢は上空で弾け屍達に降り注ぐ。すると、屍達の視線が愛に注がれる。



「気色悪いから見ないでよ」



 愛は屍の群れに向かって矢を放つ。その矢が屍に当たると、屍は後ろに吹き飛ばされ群れの中に紛れる。



「ドォオン」



 そして爆発が起きる。



「みんな。さっさと片づけるよ」


「ああ」


「もちろん」


「ええ」



 恵の掛け声に皆が反応する。







 王の前には真と外行の二人が立っていた。愛の魔法の影響で屍達はすべて向こうを向いている。



「ニ対一だね」


「またゾンビでも出すか?」



 二人の挑発に王は冷静に答える。



「むしろいいのか?。たった二人で」


「強がりか」



 真が答えた。



「まずは力試しだ。来い」



 王の言葉に反応するように二人は動いた。



光斬(ライトスラッシュ)


精神支配(マインドコントロール)



 真の魔法により王の動きが止まる。



「んっ!?」



 しかし、外行の光の剣が王へと届いた時、強い衝撃と共に二人は吹き飛ぶ。



「うわっ」


「くっ」



 吹き飛ばされた二人はすぐさま体制を立て直す。



「大丈夫か、少年?」


「大丈夫。今のは?」


「分からないがマジックアイテムだと思う。最悪なのはアーティファクトの場合だな」


「アーティファクト?」


「オリジナルスキルと同等かそれ以上の力を持つアイテムだ」


「その程度の力しかないのか?。ネルソンを倒したというからどれほどの物かと思ったが、あ奴を倒せたのは運が良かっただけのようだ」


「まだまだ」


「まてっ!」



 王の挑発に外行がすぐさま攻撃を仕掛けようとしたのを真が止めようとする。



「馬鹿め」


光速斬(フラッシュブレード)


「キンッ」


「光がっ!」



 外行は光魔法を使うことが出来ずただの斬撃を王に振るうだけとなっており、簡単に剣を止められる。



「くそっ。精神支配(マインドコントロール)



 真が外行を援護するために魔法を使うが



「無駄だ」


「そんな!」



 真の魔法もまた、外行と同様に使えなくなっていた。



「スキルに頼った力はすべて一度使えばもう私には使えない」



 王はそういうと、外行に剣を振るう。外行は一撃目を防ぐが二撃目は防げず腹を斬られる。



「ぐふっ」


「所詮はただの餓鬼か」


「少年!」



 真がすぐさま、外行を守るように間に入り剣で王に応戦する。



「ほう、お前はなかなかできるでないか」


「何年こっちの世界で戦ってきたと思っている」



 王と真は剣の打ち合いを始め、次第に真が王を押し始める。



「くっ。魂贄吸力(サクリフォース)



 押されていた王は魔法を唱える。すると、恵たちと戦っていた屍が数体倒れる、そして体が黒い塊となって、王のもとに集まる。



「おりゃっ!」


「キン」



 すると、先ほどまで押していた真の剣が簡単に防がれる。



「そらっ!」


「くっ」



 今度は逆に真が押され始める。



「形勢逆転だな?。死者の手(デッドマンハンド)


「うっ!」



 王は魔法で三つ目の巨大な手を作り出し真を掴む。



「ああ、わかったぞ。お前たちが帝国から逃げてきた勇者か?」


「うっ!」



 王は真に語り掛けながら近づき剣を構え、とどめを刺そうとする。その様子を瀕死の外行は見ていた。



(ぼくが、どうにかしないと、諦めちゃだめだ。出ろ魔法。出てくれ)



 外行の心の中で必死に魔法を出そうと力を入れる。



(出ろ~!)


「死ね!」



 王の剣が真の首に刺さる時、外行の目が黒く染まり手から黒い魔法の弾が放たれる。



「ぐお!」



 その弾は王に当たり吹き飛ばす。それにより、真を掴んでいた巨大な手も消える。



「はぁ、助かった少年」



 真は外行を見て感謝を述べる。



「今のは...」



 魔法を放った当人の外行は自分が何をしたのか理解できていなかった。



(あれ!?。痛みが引いた?)



 外行は違和感を感じ先ほど斬られた腹のあたりを触る、そして確証を得るために腹部を直接確認すると、斬られたはずの体はかすり傷一つない状態となっていた。



(なにが...)


「さすが、君もなかなかのチートだ」



 真はその様子に感心すると立ち上がる。



「立てるか?」


「大丈夫」


「因みに今のは奥の手か?」


「いや、わからない」


「隠さなくてもいい」


(隠したわけじゃ)


「なかなかの一撃だったが、今ので私を殺さなかったことを後悔しろ。その魔法ももう使えまい」



 王は口から血を流しながらも、勝ち誇ったように言葉を発する。



「真さん。僕が援護するよ」


「わかった」



 二人が再び剣を構える。すると、



「少年、それ」



 外行の構える剣に光が戻る。



「光が....」


「スキルが戻って」


「馬鹿な...」



 王はその状況を見てすぐさま、自身の服の中の首飾りを見る。すると、その首飾りは金属製にもかかわらず黒い灰のようになり崩れ去る。



「私のアーティファクトが、有り得ない!」


「すごい魔法だ」


「そ、そうみたいだね」


「形勢逆転だな」



 真の言葉に王を怒る。



「スキルが戻ったからと言って、勝てたと思うなよ。私の本当の力を見せてやろう魂贄吸力(サクリフォース)



 王が力強く魔法を唱えると、すべての屍は黒い塊となって王のもとに集まる。



「王命を発動する。すべてを弾き、わが身を守り、そして、すべての力を我がために捧げよ」



 王がそう言うと、王の体を黒い煙が覆う。



「うおおおおおお!」



 そして、黒煙の中からは先ほどまでの王の装備と打って変わって、人間の骨をいくつも重ねたような鎧と黒煙を纏った王がそこには立っていた。



死者の世界(デッドマンワールド)






【勇者である天道真のスキルは以下です】


 ・精神の勇者

  精神の特殊魔法を習得し、使用の際に詠唱が入らず、周囲の魔素を用いて魔法を無限の魔力で行使できる。



【勇者である矢尻愛のスキルは以下です】

 

 ・魔弓の勇者

  弓の特殊魔法を習得し、使用の際に詠唱が入らず、周囲の魔素を用いて魔法を無限の魔力で行使できる。


【勇者である北方雹のスキルは以下です】


 ・氷の勇者

  氷の特殊魔法を習得し、使用の際に詠唱が入らず、周囲の魔素を用いて魔法を無限の魔力で行使できる。


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