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パラサイトデイは突然に
ついに僕は36歳にして家をでる決心をした。
両親にとって30歳を過ぎても実家暮らしをちっとも改めようともしない僕の存在は悩みの種だったに違いない。
まさにそれは親にとっての幸せ親離れ1人暮らし計画。
そもそもこの恐怖の計画の始まりは他愛もない会話からだった。
僕の趣味であるゲームの数が増えて収納に困ったという話をしていると、父親から趣味の部屋を欲しくないか、いっそ会社の近くに引っ越してみたらどうか、と提案してきたのだ。やや違和感を覚えながらも、中々僕が首縦に振らないものだから、今度は感情に訴える作戦にシフトしてきた。まんまと成功したわけである。僕にとっては勇気を試される大きな決断だった。自立への一歩として一人暮らしの荷造りを済ませ