お米たちの話
知ってる?
実はね、あなたのメール登録の名前は海老ピラフにしてるの。
知らなかったでしょ?
だって、ずっと貴方には秘密にしていたもの。
そう、私と貴方の出会いはエビピラフがきっかけだった。
覚えてないでしょう、だってまだあの時貴方は高校生だったもの。
私がフードコートでビビンバを食べていた。
その隣の机で高校生男子の2人組がエビピラフと牛丼を食べていた。
私はエビピラフの男の子を見てテンションが上がってしまった。
私は食べかけのビビンバを手で掴み、エビピラフを食べていた貴方に投げてしまったの。
テンションが上がった私はさらにビビンバを投げようとしたその時!
貴方は私にエビピラフを投げ返してきたの。
いくつか米粒が私の顔についた。
その匂いが鼻に入ってくる。
エビピラフ
それは私を落ち着かせた。
その匂いは母の温もりを思い出させた。
私は我に返り、そして戸惑った。
なんてことをしてしまったのだ、と。
「...私、貴方がすし...」