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君と僕と僕の声  作者: 皐月 雫
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プロローグ

青春物は初めてなのでメチャクチャかもしれませんがよろしくお願いします!

あと投稿が遅いときがありますがすみません・・・。

今日は、死ぬにはいい日だ・・・。


ザーッと波寄る海を見ながら僕はそう思っていた。


何もない人生だった。


人にからかわれ、底辺にまで落ちた人生だった。


「本当に、楽しいことなんて何もない人生だったな・・・」


打ち寄せる波を見ながら、僕はそう口にした。


 波を見ながら目を閉じる、真っ暗な中、映像が浮かんで来る・・・今までのくそみたいな人生の映像が・・・。





僕がまだ小さかったころ、両親は事故で亡くなった。



親戚一同からこんな子はいらないとたらいまわしにされ、最終的に行き着いたのはとある施設だった。


小さいながらに


(あー、僕はいらない子なんだ・・・)


と思ったのを今でも覚えている。


施設に渡された僕は、誰ともしゃべらずただひたすらに静かに暮らしていた。


 そんな僕を気味悪がり近づこうとする子は一人もいなかった。施設で働く大人も僕の事をいいように思ってなく、よくこそこそと


「あの子・・・いつも一人で何もしゃべらないよね・・・」

「気持ち悪いわ・・・」

「なんで、この施設に入れたのかしら・・・」


等様々なことを言われた。


 コソコソ話でも自分のことを話されているのは良く聞こえるし、子供だけどいいように話されていないことは分かる。



小学校に上がった僕は直ぐにいじめの対象にされた。


 酷かった、低学年の時は、机は毎日のように落書きされていて、上靴は毎日のようにどこかに消える。

そんなことが数回あり僕は勇気を出して先生に助けを求めようと思い廊下にいた先生の、裾を引いて話そうとした。


「どうしたの?」


その時担任だった女性の先生は、僕の方を振り向き僕と同じ目線になりそう聞いて来る。


「・・・」


たすけてと四つのひらがなを言葉にするだけでいいのに言葉が出てこない。


ズボンの裾を握り勇気を出して口を開く。


「助けて!」

(言えた!)


僕は、先生を見ながらそう思う。


しかし、先生は


「ん?」


と首をひねりながら僕を見ている。


(おかしいな?)

「助けて!」


僕は声が小さかったのかと思い今度は大きい声でそう言ってみる。


「あーあーじゃ、先生わかんないよ?先生をからかいたいだけなら先生もう行くね?」


先生はそう言うと、すくりと立ち上がり、僕の前から去っていった。


助けてと勇気を振り絞って言った僕の声は先生の耳には(あーあー)としか聞こえなかったようだった。


試しに、学校帰りにあるスーパーによって、レジの人に話しかけてみた。

レジの人は、僕の声に首を傾げながらどこかに行ってしまった。


 それで、ようやく理解した、今まで誰とも話してこなかったし人を避けていたせいか、僕はいつの間にか自分ではきちんと言ってるつもりでも、他人からは(あーあー)としか聞こえないそんな声になっていたのだと。


両親が他界して人と話せていなかったから、自分がそんな体になっていた事に気づきもしてなかった。


 そんな僕がどんなに人に助けを求めても誰も助けないしさらに状況が悪化したのはこのことが原因だったんだと初めて気が付いた。


 それがわかった僕は、毎日毎日続くいじめをただひたすらに声を出さずに耐える事にした。そうしていれば、いつか皆飽きてくると思ったから。


 だけど、高学年になるにつれ、いじめはエスカレートしていき、教科書は読めないくらい落書きされ、トイレに行ったら上から水が降ってくる。

いじめを隠すためか、トイレで水をかぶせられると決まって外からつっかえ棒をされ閉じ込められる。

僕は、空気のような存在だったため、授業に出なくても誰も分からなかったみたいだ。




そんな日々が続き、月日がたち僕は一六歳になった。


施設の決まり上、一六歳以上はここには入れないらしく、僕は施設を追い出されることになった。


 まぁ、そんなの嘘だって事、すぐに分かったけどね・・・だって、僕より十も年の離れた女の子が高校の制服を着て施設に帰って来ていたのを見たことがあるからね・・・。


 本当にろくでもない人生だったな、両親は自分を残し他界、施設の人たちからは煙たがれる毎日、そして、自分の言葉が通じない日常とそれにより続いた小学校の時からのいじめと続き、最後は施設からの追放。


今の現状で僕に残された選択はただ一つ・・・・・・。



この世界から消える事だった。


僕は、ゆっくりと目を開けそして深呼吸をする。


「うん・・・やっぱり、死ぬにはいい日だ・・・」


今度は声に出してそう言う、そうして僕は靴を脱ぎ海に向かって歩き出した。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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