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文集 H28

作者: 珈琲髭

 私は虚無だ。

 何もないし、何も成せない。


 そうだ、そうだとも。私は空っぽだ。だがこんな私にも唯一誇れる事がある!

 それは私の周囲に存在する、私と少しの時を共に過ごした若者たちだ! 何を隠そう、私は謙遜している若者たちの良さを誰よりも深く知っている!


 暇を持て余している彼らは、可能性の塊だ! 『これから』という無限が彼らを待っている。熱を持てば最早怖いものなしだ。千差万別の熱源で彼らは燃え盛り、その迸る力を以て天井を焦がし、忽ちに打ち破るだろう!


 淑やかで可憐な彼女達は、未だ咲かぬ蕾だ! しかし焦る事はない。密やかに、厳かに、自身が内包する気高さを育み、“その時”を待つのだ。やがては凛として咲き誇る、美しくも強かな花となるだろう!


 既に何事かへ打ち込んでいる者達も大歓迎だ! 彼らという存在が、彼らが起こす行動が、見た者全てを等しく勇気付け、鼓舞し、高めてくれるからだ! 彼らは理想の体現者として、若者たちを導いてくれるだろう!


 荒れ、腐り、朽ちようとしている者達だって私は忘れない! 道を違えた事がなんだ。道を引き返すも良し、その侭突き進むも良し。選択肢はまだまだ有り余っている。それに、彼らが私以下の存在である事など絶対にあり得ないのだ! 悩み、考え、歩み続ける事こそが、彼らの往く道だろう!




 若者たちの良さは此処では語り尽くせぬ程にある。これからも私は、時間が許す限り彼らを応援し続けるだろう!

 そうして、その役目は違う誰かに受け継がれ、若者たちは進歩し続けるのだ。

 私は彼らの持つ“何か”を一つとして持っていない。だが、それがなんだ! 私は若者たちを愛しているのだ!

 私は彼らを知っている。私は彼らの成長を見届けられた上、その門出を見送る事が出来る!


 ああ! なんて私は幸せ者なのだろう!

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