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Ability wars  作者: 大山鳥 鈴
Gray Knuckle
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成果⑧

【灰 龍悟】

「エンカウントしたくなかったってのによー!」

「人数減って行けばこんな事に成るってのは分かってたでしょ」

「ごもっとも!」

叫びながら信達は現在進行形で全力逃走中。追跡には翼がついている。

俺は先回りし、正面で迎え撃つ準備をする。

【竜爪】状態の制御はまだ非常に困難だが数秒で2人を倒す事なら造作もない。


『そろそろ頃合いだろ!』

「あぁ……【竜爪:黒龍】」

右腕が黒くなり、巨大化する。黒龍は物質に影響を与えるエネルギーを操る。【銀龍】の爪とは違い生命を持つ者/モノにも攻撃が可能。意識は【銀龍】程持っていかれる事はないが射程が短いのが欠点である。

視界に2人を捉え、腕を振り下ろす。

「【黒葬】」


--


【赤柱 信】

「こんにゃろう……。当たったら気絶もんだろ」

『そういうつもりで放ったんでしょ』

黒い爪。多分、ドラゴが応用した<竜人>の能力だな。

先日の通り、本来<竜人>は戦闘に特化している<能力>。ただ、体が竜になり、火が吹けたり、羽が生えたりする程度のもの。あんな風に爪を形状変化させるのは初見である。それが<準能力>の力なのだろうか……。

考えていても埒が明かないので引き返し作戦は諦めて攻撃を始める。


「様子見ショット」

実弾ではないが、その辺の壁にならヒビを入れられる威力の銃撃を数発放つ。だが、直撃のはずが弾き落される。ドラゴはピンピンしている。

「【竜鱗】」

「せっけぇ!」

「<準能力>だからな。姑息ではない」


--


【紫花来華】

この場面は非常によくない。ドラゴは信に任せるしかない。そうなると、私の相手は……

「得意じゃないけど、剣で戦うしかないよね」

「容赦はないぞ!」

勝てなくても良いのだ。信がドラゴを倒すまでの時間稼ぎ役でなら引き受けられる。

剣や胴の動きは全部読める。技も数回見ているので予見+経験でどうにかなる。


「全部読んでるのか」

「当然」

「なら、こいつだ」

翼は地面の砂を巻き上げて、姿をくらます。確かに、【未来予見】は対象の未来を予め見るモノである。自分もそれに含まれる。そんなことを頭から忘れる奴じゃないとは思うけど。

そんな思考をした瞬間、予見に反応在り。横から殴打の攻撃を予見。だが、横腹を叩かれる。

(これって……)

「確か、5秒先までが限界だっけか?」

「言う訳ないでしょうが」

「5秒先を見るなら、その5秒早い動きをすればいい」

やっぱり、赤系統の宿命ともいえる弱点「見えているけど体が追い付かない」をついて来るか~。信の【弾道予測】然り、【鳥観視】然り。


「痛い所をついてくるね……」

「そうしないと逃げ切りされる、ってドラゴが言ってたからな」

「読みも正解。逃げ切りも作戦に入れてたけど」

こうなると、万策尽きてきた感じだね。信が【血継ぎ】を使えばこんな場面、どうとでもなるだろう。だが、使えば二重持ちだと割れてしまうし、その後どうなるか分かったもんじゃない。こうなったら……。

「武器捨てったってことは……」

「投降」

「それなら、端末壊せ」

端末を地面に置き思いっきり踏みつける。

「これでいいかな」

「そうだな。じゃ、俺はドラゴのヘルプに行くかな」

横を通る隙を狙って、左手首を握りつぶす勢いで握る。端末の破壊音を確認。


「なっ……」

「さっき壊したように見せたのはエイミの端末だよ」

これで、形勢逆転だと思ったら、視界の天地がひっくり返っていた。

信が以前、ドラゴから喰らっていた背負い投げをされたようだ。

『紫花来華:70点』

聞き覚えの無い声が端末から聞こえた。


「端末二個もちは俺らも考えてた」

「うっそ……」

「多難つが破壊された時のコール知らなかったのな」

翼の端末は手首についていなかった。代わりに着いていたのは、恐らく先に倒された生徒のだろう。

見れば、手首から二の腕にかけて数個装着している。これではどれが本物か特定は困難。


「してやられた~」

「まぁ、よくやった方だと思うぞ」

「<能力>使わせて、行動不能にしてやろうと思ったのに」

「ひでぇな……。正攻法だろうけど」

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