竜人
【灰 龍悟】
「さて、では、何故、<能力>が表に。つまり、幼少期に発現しない子供がいるのか。厳密に言えば発言はしているが、自らの意志で発動できないか。現代の能力に関する研究ではそこの結論には至っていません。そして、我々の様な<能力>関係者はこれを<未自覚能力>と呼んでいます」
続きの内容を要約すると、<未自覚能力>とは<能力>以上に具体的な発動の意思を必要とするようである。
例えば、<能力>の<筋力強化>は、強化する部位を気にせず使用できる。対して、こちらの<筋力強化>は使用の度に「腕強化」、「脚強化」など発動する為の意思を必要とする。
そして、現代の人々の大半はこのような状態にあるという。
「これを呼び起こすには、相当な訓練が必要となります。今回はその確認も込めての講義ですが……」
当然、参加しない者はいないだろう。此処に居る生徒全員が一度は<能力>を欲したはずだ。
自分もその一人なのだ。叶うのであれば如何いった類の物でも構わない。
「では、不参加生徒0という事で、これから測定を行っていきましょう」
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結果は、その日中に渡された。俺の<能力>は超常系の<竜化>。
正直、使える気がしないな……。日常生活のどのような場面で「竜になりたい」と思うか……。
結果内容は話しても良いらしいので多少<能力>に詳しいだろう赤柱に話を聞きに行く。
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「だーっははは! <竜人>って日常生活のどの場面で使うんだよ! 完全に戦闘用だろそれ」
予想以上に笑い転げている。抱腹絶倒が具現化したような状態である。
ソファで笑い転げていたので床に強く頭を打ち付け痛がっている。
「あー……笑った笑った。良いじゃねーか<竜化>」
「何が良いんだ……。御前も言った通り日常では全く使えないぞ」
「だから完! 全! に! 戦闘用だって。面白かったから少し講義してやろう」
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【赤柱 信】
超常系<竜化>。世界でもこの<能力>を持ち、扱えるものは数少ない。まず、超常系であること。竜化発動時の竜と人の複合生物。所謂「竜人」状態になることがかなり難度が高い。
竜の様な強靭な爪や頑丈な鱗を持ち、人間の知性を併せ持つ。そしてこの<能力>には段階的な変身が可能である。
第一段階が竜:人 = 2:8 の【半竜人】状態。
第二段階が5:5 の【竜人】状態。第三段階が8:2の【龍人】状態。
最終段階は<能力>事態が変化し【龍化】。すなわち10:0の龍となってしまう。
公表されている情報はこんなもんである。でっかい内戦等が報道されてない為、実際、最終段階は不明。
だが、今回の件で納得。発表した国は中国、次いでインドである。
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【灰 龍悟】
「なるほど、爆弾付きの<能力>なのか」
「そ、<能力>ではな。でもよく考えてみれば、コイツはその<未自覚能力>とやらの方が相性良いな」
確かに……。意識せず竜になるよりも、どの程度の割合で竜の力を使うか明確にできる方が相性がいい。
必要な時に、必要な量の力を使えば消耗も少なくて済む。問題は……
「それをどうやって呼び起こすかだな……」
「それは、自分で考えなさい」




