後日談②
【赤柱 信】
襲撃事件から3日後。
何はともあれ学校側からの処分は現在進行形で保留中。
本来は校則違反どころか、許可なしで<能力>を使用した為、退学のはずだが、翼による敵機撃破のおかげで保留という事らしい。アイツが派手に立ち回ってくれたおかげで<能力>の方は公にバレずに済んだ。
最終戦果は、他部隊は全員無事か負傷者在り。襲撃事件は、結論で言えば死者無し。不幸中の幸いである。死者0と言ってもオレは一度死にかけて……。いや、あれは死んでる判定だな。
「よ~……、元気?」
「この状況でそう言うのか……」
「いや……」
一時限が始まる前に顔を出したのは備え付けられている病院。うちの隊で負傷者は翼のみで済んだ。
ちなみに症状は右腕骨折・軽い肉離れ、等々らしい。とにかく筋繊維がズタズタで直ぐには動けないはず。そのはずだがなぜか病室でベットに座りながら素振りをしている。
恐らくだが襲撃事件の時と同じで相当重い竹刀。それを利き腕でない左手で振り下ろしては再び振り上げている。しかも軽々と……。右腕はベッドに紐でしっかり固定されている。
「元気じゃないかね……」
「1日でも素振りは辞めないからな」
今回の戦闘で翼の評価は爆上がりだろう。実力で言えば、上級生にも引けを取らない剣術は即戦力としても十分なもんだろう。当然、壱科への転科が可能だろうに……。
「なぁ、オレと交代で壱科に入らないか?」
「俺の能力を直で見たろ。<肉体強化>」
それは、使用すると眼が緑色に光り「身体」に関わる<能力>。「肉体強化系」の代表と言っても過言ではない。
<肉体強化>は、文字の如く体のあらゆる自身の肉体を強化でき、一時的に通常時よりも高い運動性能を引き出す事が出来る。ただこいつの場合、<能力>を使いこなせていない。使用した部位は片っ端からぶっ壊れていた記憶がある。大方、今まで使ってこなかったのか、使い方がわからないのどちらかだろう。
(ふ~む、面白いな……。でもさっさと転科してくんねーかな)
授業開始の10分前の予鈴が鳴った。一限は退屈な英語だから正直、休みたい。
ちなみに、入院状態の翼は如何いかにして授業を受けるかというと、病室でカメラを通じてのライブ授業である。つまり、居眠りしても問題ないという事だ。こいつの場合はこの状況を良い事に、授業聞かずにに素振りでも続けるんだろうけどな……。
「羨ましい……」
「だったら骨折させてやろうか?」
ま~た、こういうシャレにならない冗談を言うから怖いったら、ありゃしない。これ以上の茶化しは危険と判断したのでさっさと病室を出て教室に向かった。うん……授業は受けたくないな。
この調子で寝はしないが授業の内容を全く頭に入れず昼休みになった。




