転章2
【赤柱 信】
あー……しくった。調子に乗って攻撃に参加し数秒後。まさかの不可避で不意打ちの攻撃。射撃ではなく装備されていた武器で串刺しかよ。白井は避けきったようだがオレはモロ受けた。おかげで剣山による蜂巣状態だ。痛みは感じたり感じなかったり。血流れ過ぎてるだろ。このままだと出血多量で死亡確定か。思考が全く纏ってないな。
そこから、頭を過るのは大量の過去。コイツが噂に聞く走馬灯ってやつか……。その中で脳裏に10年以上前の記憶が意図せず蘇る。
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大量の瓦礫。それに押しつぶされる形で横たわる大量の死亡者。間をおいて風景の色がおかしい事に気づく。取り敢えず一面がモノクロ一色。唯一、着色されているのは血のみである。
正直言い気分はしない。自分は血が苦手。少量でも吐き気を催す。うぇ……。見なきゃ良いだけなんだがな。
「悲しいか?」
どこからともなく声が耳に入る。正直驚いて目を見開く。と正面にフードを被った男が一人。服装はAFの物である。ただ彼が見ている方向にオレは写っていないようで足元の少年に話しかけているようである。
「……」
少年は答えない。ずっと俯いている。
「まぁ無理もないね」
「……」
「まぁ、ガキの君が何もできないのは当然だね。敵さんも中々派手な事してくれた」
「……」
男は膝を曲げ、屈み少年に問う。そして今更になって気づく。
(コイツ、オレじゃん……)
「君はこれからどうして生きたい」
今思えばガキの少年に問うような内容じゃないよな……。
「***を**したい」
言葉の一部に規制音のような音が入っていて聞き取れなかった。そして、オレは顔をあげた。
眼は鮮血のように唯々赤く染まっていた。
「いいね。君を引き取ってやる。後、貰ったものは大切にしな」
貰ったもの……。あぁ、それは思い出した。オレは他人の<能力>を『継いだ』んだったな。




