<強襲>2
【任務の手引き(小早川)】
敵対象が判明している場合、まず重要となるのが現状把握。付近の地形や人数が該当。
相手の何が、得意か不得手か。それを観察し徐々に明確にする。<能力>や武器が該当。
そして、それら全てを総動員し被害を抑える戦闘を展開する事。
--
【赤柱 信】
それが出来れば誰も苦労しねぇよ……。間違ってはいないが、あの手引きには物申したい部分が多すぎる。そんな感じの仕様にしているのか分からないが、対経験した敵用だろ。いうなればゲームのボスと同じだ。例えば、チャンピオンに挑むまでの四天王4人相手するときに、誰にどいつを当てるか。って言ってんのと同じ。
今回のような急な遭遇戦では引継ぎ用の「捨て駒」が確実に必要。
「それを、オレがやる羽目になるとはな……」
『連絡取れたよ。2人は3分で飛んでくるって。AFの出動要請も完了。こっちは10分』
「了解」
此処から相手の距離:
・大約500m。走って80秒。移動中に作戦立案/戦闘用意
武器:
・訓練用拳銃二挺:1マガジン12発/予備弾倉は8個
・ペイント銃弾:11個のみ
・訓練用散弾銃一挺:4マガジン8ペレット/予備弾倉なし
作戦:
・1~3分:時間稼ぎ。2人が来たら幾分か楽。
・3~10分:倒せるなら倒す。無理なら引き継ぎのための情報取集。
「よし、こんなもんだろ……」
--
機械の方は盛大に暴れている。外に出ていた生徒は巻き込まれたようで視認できるだけで数人倒れている。
さてと、まずは奇襲だ。正面切っての戦闘は勝てない。近接戦闘でもされたら機械相手でも少々苦手だからな。作戦が上手くいく保証などどこにもない。意を決し昇降口付近の柱から姿をさらす。、
ペイント弾2発で正確に眼の潰し。柱に隠れていたオレに攻撃してこないってことは温度での感知機能は搭載されてないのかもな。
「敵の状況は」
『敵の右目は潰せてるけど、5秒後突進』
「了解」
紫花には5秒先の情報を要請したときに渡してもらっている。
流石にここが即応できる速度の限界である。
(弾数も気にしないといけないしな……。神経が磨り減るっつの)
報告通り、5秒経過しこっちに突っ込んできた。ギリギリ回避成功。
思いっきり昇降口に突っ込んでくれた。その間に階段を降り様子見。
「ちょい、近いな」
『だね。次、振り向きざまに右手から発砲』
「射点がわかれば問題なし」
先に<能力>を起動させておく。こちらに振り向きながら発砲してくるが射線が見えているので伏せる。
弾は頭上を飛んでいく。ちなみに後ろは昇降口を降りた先だが、無人であることは確認してあるので被害は心配ない。
そもそも、こんな状況でのこのこ出てくる奴はいないだろう。いたら身の程知らずか死亡志願者ってとこだな。
「やっぱ強いな、未来予t」
『即、右に回避行動』
「マジか」
やべぇ、余裕こいてられなかったか。指示通り右に飛んだが右腕を捕まれた。
そのまま持ち上げられ宙づりになってる。
(右は確か、GG銃口)
弾道予想はあくまで回避可能な弾道を示してくれる。が、現状のように動けないとなると無意味。
『左腕、持っていかれる』
「こんにゃろう……」
すぐさま、右手のハンドガンを捨て背中に背負っておいた散弾銃に切り替える。同時に左手側からえぐい音が聞こえ、激痛が走る。予見通り左腕を折られた。握りつぶされたが正しいか。
痛みは多少耐えて無理に発砲する。至近距離なら、散弾銃で威力を勝る銃はない。敵左手の銃口と関節にきつめの一発をお見舞いしてやる。
これは機械兵器でも堪らないようで左腕を放してくれた。
当然さっさと逃げる。連射できたのは持ってきておいたのがドラム式、簡単に言うと連射式。でよかった。だが、反動が強かったようで右肩が外れたな。踏んだり蹴ったりだ。
「ぐぅあぅうぅうう。イテーっつの。こんにゃろう……」
『後、半分。5秒後、再接近』
「おいおい、きついぞ」
どうする、左腕は現状使いもんにならない。拳銃は敵の足元。散弾銃はあと6発撃ったら使えなくなる。
肩は元に戻す。こんな事なら、煙玉でも持ってくれば良かったな。5秒経過していたようで接近してきやがる。
「っつ……。思考時間短すぎだろ」
『次肩からミ』
「ざけんな。ミサイルか」
こうなったら離れるしかない。もっと距離とって、確実に避ける。これで次の動作も確実に避けてやる。
残り時間目一杯逃げ切ってやるしかない。
『くるよ』
「わーってら」
確認できただけで9発を連射。しかも、直線的に飛んできやがる。ここまでくると日本産じゃないな……。
9連のミサイルを歩兵兵器に運用しているのは米さんだぞ。その技術を合わせてきやがったか。
「後何秒だ」
『80秒』
未だ、20秒しか経過してないのか。長すぎる。
「こうなったら、ホントに鬼ごっこだな」
『思考イカレた?』
「すこぶる正常。次は」
『いや~、全く動かないんだよ』
つまりは、5秒間は停止している。この間に距離取っておくか。
後ろに向こうと思ったら、機械音が聞こえる。何というか、「オォォォ」みたいな感じの。
「あのー……。これって」
『まずいね……』
「レーザーかよ!」




